本気のしるし 劇場版を配信している動画配信サービス

『本気のしるし 劇場版』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?

本気のしるし 劇場版

本気のしるし 劇場版の作品紹介

本気のしるし 劇場版のあらすじ

退屈な日常を過ごしていた会社員の辻一路はある夜、踏み切りで立ち往生していた葉山浮世の命を救う。そこから、不思議な雰囲気の女性・浮世と辻の泥沼の関係が始まった。辻は分別のない行動をとる浮世を放っておけず、浮世を追ってさらなる深みに嵌っていき、破滅への道を歩みだす...。

本気のしるし 劇場版の監督

本気のしるし 劇場版の出演者

原題
製作年
2020年
製作国
日本
上映時間
232分

『本気のしるし 劇場版』に投稿された感想・評価

やっと見れた!バンザイ!!早稲田松竹にて!そして、これが見たかったのだ!こういう善と悪の映画がずっと見たかったのだ!私的には本年度No1かNo2だ。本作の主人公の二人はバカに見えるでしょうさぞかし…そうやってテレビドラマみたいに見る人が多いだろうし、TVでもやっていたらしいから軽めを狙ったんだろう。深田晃司監督のいつもの芸術性高すぎる作品でなく気楽なドラマとして。しかし、おバカな人たちのお気楽な話ではない。もっと深いテーマと問いかけだ。

これが現代に生きる「善人」が受ける仕打ちですよ、みなさん、彼らはこんな仕打ちを受けていいんでしょうか?という問いかけだ。彼らはあまりにも優しいから、困った人を拒否できない。「聖母マリアvs吸血鬼ドラキュラ」理論だ。善意の人が悪魔みたいなやつらの餌食になる。砂糖にアリが群がる、優しい人には弱い人間や欲の深い人間が近づいて来る。浮世や辻くんは身ぐるみ剥がされ、不幸になる。浮世は果たして、その場をやり過ごすため嘘ばかりつき、ずる賢く周りを不幸のどん底に陥れる貧乏神なのか?辻は優柔不断でテキトーな人間だから報いを受けるべきなのか?いろんな解釈があるが、視聴者もとことん掘り下げて考える作品だと思う。辻は浮世と知り合いパンドラの箱を開けた。人生とは?人間とは?今まで答の出なかった何かに答を出してくれたのが浮世で、彼女といる事が彼の唯一の救いとなる。非常に宗教的なテーマだ。深田晃司監督がヨーロッパで大絶賛されるのは当然ですね。日本ではなかなか理解されないのが悔しい。しかし今作は概ね好評だったのでは?役者が皆素晴らしい!森崎ウィンの軽快さと優しさね!土村芳の人を駄目にする春の海みたいな緩やかな空気感ね!宇野昌磨のとんでもなさね!北村有起哉のヤクザ風も最高だった!

【ネタバレ】スキだらけの人という表現うう〜いいな〜。教習所で知り合った友達(『海を駆ける』阿部純子)が彼女を庇うシーン。辻が、「スキがあるからいけないんだ」という言葉に対し、頬をピシャリ
「スキがあるのは彼女の良いところ。そこに付け入り食い物にする悪い人たちを受け入れてしまう彼女が悪いというの?」

イエス・キリストのように困った人には手を差し伸べる、自己犠牲的に一番苦難を背負ってる人のおそばに居ます。好きな男が辻であっても、どうしても自分を必要な人が社長だと解釈したら、その人の側に居ようとする。この行動は辻も同様だ。社内で二股、しかし彼が求めてたんじゃなく彼女達がイケメンの辻を求めたから両方ともと付き合う。好きなわけじゃない。しかし、これを現世では「優柔不断」と呼ぶ。このような行動は彼らが周りを食い物にしてるのではなく、周りが彼らを食い物にしてるんだろう。カメラワークも絶妙。二人の取る同じ行動同じセリフその姿は車の側面に鏡の様に映っていたし。本作は自由にいろいろな解釈が可能だと思います。4時間と長いですが見応えある作品!
 
ワンコ

ワンコの感想・評価

5.0
【不思議な魅力、「本気のしるし」について】

この映画は不思議だ。

「なぜ?」という問いに向き合いながら、4時間近く飽きずに見続けることが出来る。

人をこうも惹きつける浮世の不思議な魅力とはなんだろうか。

この作品に惹きつけられる理由を理解するためにも必要な問いだった。


(以下ネタバレあります。)





寂しげに見えるが、本当にそうなのか分からない。
すごい美人ではないが、気になってしまう。
人物背景が判然としない。
子供のおもちゃを買う。
死にかけたのに、自覚がない。
善意で助けてあげても、嘘をつく。
追いかけると逃げる。
突き放そうとすれば寄り添おうとする。
やくざに売られそうになっても助けを求めるでもない。
助けるのを止めようとすると、助けて欲しいと懇願する。
意を決して働いても続かない。

普通であれば、こんな期待と反対方向の行動パターンにイライラが募るはずだ。

どこの誰とも分からない人間に、交通費を貸したりしないし、ましてや、やくざに大金を渡して身元を引き受けたりしないだろう。
それが当たり前だ。

だが、実際にこうした人がいて、脇田が言うように、出会ってしまったが最後、深い海に引きずり込まれるれるように落ちていくしかないのだろうか。

もしそうだとしたら、ちょっと会ってみたい気がする。
興味が湧いてしまう。

それは難しいだろうから、この映画を通じて追体験したいと、覗いてみようと、惹きつけられるのだ。

音楽や絵画でも揺らぎは、人を惹きつける重要な要素だ。

この映画では、浮世のキャラクターの矛盾ともとれる行動と、更に、実際、こんな人がいるのかと、でも、いるのであれば、会ってみたい、覗いてみたいという気持ちが、浮世と映画のストーリーの間で相互に揺らぎとなって、魅力を増していく。

一方の辻はどうだろうか。

複数の女性と付き合い、セックスはするが、実は相手を愛しているかは曖昧だ。
浮世を助けてあげるが、セックスを求めるようなことはしない。
深みにはまってはいけないと思っているのだろうか。
だが、最大限の援助を常にする。

なぜ?
辻は、実は、浮世を通して、人を好きになるということと向き合っているのではないのか。

そして、浮世の背景が次第に明らかになっていく。

僕は、シャボン玉のおもちゃは、浮世を我が子と結びつけるアイテムで、しっかり繋がりを求める気持ちがあるのだと…、ただ漂っているだけではないのだと感じた。

また、阿部純子さん演じる浮世の友達(名前は忘れました)の言葉で、浮世は、人を好きになるということが、どのようなことか理解できていなかったのだと、そして、それを自ら求めてもいなかったのだと思った。

でも、気持ちと行動という意味では曖昧だ。

だが、エンディングに向かって、浮世の娘との散歩のシーンや、仕事を地道に続けている場面を見て、「好き」という感情が前向きに生きるための変化となったのではないかと確信するようになる。

葉山や峰内に対して、受け身で演じていたものとは違うものだ。

そして、これは、僕達も実は似たようなものではないのか。

相手を好きだという理由を自分で突き詰めて考えたことはあるだろうか。

財政や家柄だったら、それは、それ自体が目的だ。

フィーリング。
優しい。
真面目。
女性(男性)らしさ。
かっこよさ(かわいらしさ)。
育った環境が似ている。

よく考えると、実は、どれも曖昧ではないのか。

だが、当たり前だ。

好きという感情が先行して、いつも理由は、追いかけるようについてくるだけだ。

葉山や峰内は、こうした感情に従順だった。だが、何か行動が伴わなかったのだ。

悩み事の相談にのって、付き合ってしまうことはある。
告白されて、言われるがまま、付き合ってしまうことはある。
成り行きでセックスして、付き合ってしまうことはある。

いつかは変化して「好き」になるのかもしれないが、初めから「本気の好き」ではないことは多いのではないのか。

この物語は、浮世をはじめとする登場人物を通じて、僕達の曖昧な好きを見せているのだ。

曖昧さは、確固たる理由がないという意味で弱点でもあるが、曖昧さは、僕達の人間らしさでもあるはずだ。

だから、この作品の締めくくりは、浮世と辻の再会を通して、これを肯定して見せたのだ。

曖昧だった好きが、様々なステップを通じて、本気の好きになり、何か人生の芯のようなものになっていく。

必要なのは「本気のしるし」なのではなく、「本気」なのではないのか。
「本気」から生まれる行動が「本気のしるし」になるのではないのか。

そして、それは、とても大切なことだと、今は思う。
KUBO

KUBOの感想・評価

4.5
いや〜、おもしろかった! 4時間が全く長く感じなかった。

踏切で立ち往生していた車に乗っていた女性の命を救ったことから、辻(森崎ウィン)は浮世(土村芳)という女性に振り回されるようになり、平穏だった辻の人生は不穏な嵐に巻き込まれていく。

よくこんなに訳の分からない行動をする女の子を思いつくもんだな〜。

虚言癖、甘えた上での依存、善意を裏切る行動を平気でする、隙があるのか or わざと見せているのか分からないがそれでまた事件に巻き込まれる、だらしないを通り越した死ぬほどめんどくせー女!

なんで金がないのに毎回タクシー乗るの?

イライラさせられて、どんどん引き込まれていく!

それでいて「ほっとけない」魅力のある女って難しい役どころを演じた土村芳さん、上手い! 上手すぎる! 失礼ながら今まで意識したことがなかった女優さんなんだけど、これからフォローするわ。

浮世は謎の女だし、その過去に何があったのか(?)とかいろいろあるんだけど、この作品はどう展開するかは知らないで見た方がおもしろい作品なので、ネタバレや分析系のレヴューはしません。

ただ、絶対言えることは、そのとんでもない女と振り回される男から目が離せない、すっごいおもしろい作品だということ!

『よこがお』のレヴューでも触れたけど、深田晃司監督は「見るものの胸をザワつかせる不穏なムード」を演出するのが上手い。深田監督とは2度ほどお会いしてお話しする機会があったが、ご本人は本当に飾らない朴訥とした映画青年。彼のどこにこんな人の心をかき乱す映画を撮るセンスが隠れているのか? それも作品を重ねるごとに練度が上がり、本作ではより間口の広い作品に昇華されている。

最初はクールなモテ男が、浮世に振り回されるうちにどんどん変わっていくのを演じた森崎ウィンも素晴らしかった。

どっかで見たことあると思いながら思い出せなかった「先輩」役は「石橋けい」だったのか! 太ったな〜w でも、この石橋けいの演技がまた素晴らしかったし、かなりのキーパーソン。

名脇役の宇野祥平もインパクトのある役どころで登場。

そう、この映画、スターと呼ばれる人は森崎ウィンくらいしか出てないけど、みんな上手い!

4時間という長さに腰が引けるとは思うけど、これは絶対見た方がいい映画。深田晃司、すごいね。さらにファンになった!

『本気のしるし 劇場版』に似ている作品

寝ても覚めても

上映日:

2018年09月01日

製作国:

上映時間:

119分

ジャンル:

配給:

  • ビターズ・エンド
  • エレファントハウス
3.5

あらすじ

突如姿を消し、朝子が心のどこかで思い続ける運命の人・麦を、掴みどころのない不思議な佇まいで具現化し、一途に朝子を想う・亮平を、やさしさと包容力で体現したのは東出昌大。初の一人二役で新境地を…

>>続きを読む

猿楽町で会いましょう

上映日:

2021年06月04日

製作国:

上映時間:

121分

ジャンル:

3.8

あらすじ

駆け出しのフォトグラファー小山田は、撮影で読者モデルのユカと出会う。コケティッシュでピュアなユカに惹かれ、彼女を被写体に次々と作品を撮り始める小山田。そして二人は付き合い始め、猿楽町で撮っ…

>>続きを読む

夜を走る

上映日:

2022年05月13日

製作国:

上映時間:

125分
3.7

あらすじ

郊外のスクラップ工場で働く2人の男。40 歳を過ぎて独身、不器用な性格が災いして上司から目の敵にされている秋本。妻子と暮らし、気ままに人生を楽しみながら要領よく世の中を渡ってきた谷口。ある…

>>続きを読む

男の優しさは全部下心なんですって

上映日:

2021年06月11日

製作国:

上映時間:

72分
3.1

あらすじ

宇田みこ(24)は、遊園地の跡地に出来たショッピングモールに残る数時間に一回動くメリーゴーランドの受付をしており、受付時間外はゆるキャラくまに扮して、メリーゴーランドの前で風船を配 ってい…

>>続きを読む

彼女はひとり

上映日:

2021年10月23日

製作国:

上映時間:

60分
3.6

あらすじ

高校生の澄子(福永朱梨)はある日橋から身を投げた。しかし、死ねずに生還してしまった。数ヶ月ぶりに学校に戻ってきた澄子は、幼馴染の秀明(金井浩人)を執拗に脅迫し始める。身を投げる原因を作った…

>>続きを読む

階段の先には踊り場がある

上映日:

2022年03月19日

製作国:

上映時間:

132分
3.7

あらすじ

ダンサーを目指し芸大の舞踊科に通うゆっこは、同じ大学の演劇科に通う元カレの先輩と別れた後も同棲を続けている。お互いを応援する“いいパートナー”だと呼び合うが、最近は夢をかけた留学、そして先…

>>続きを読む