自閉症スペクトラムを抱える一人息子のウリと2人で暮らすアハロン。別居中の妻がウリの将来を考えて特別支援施設への入所を決める。一度は納得するアハロンだが、父親と離れたくないウリの姿に心を痛めて、2人であてのない旅をする事になるロードムービー。
ちょっと重ためなテーマながら間違いの無さそうなストーリーに惹かれて鑑賞しました。ほぼその期待通り。満足度は高めな作品でした。
自閉症である息子の今後を巡って、母は施設に入っての成長を望む。父もそう願うもやはり離れる事を拒む息子を断れず、共に逃避行に転じてしまう。なかなか難しい問題。両親それぞれの気持ちはどちらも理解できるし、どっちが正解ともハッキリ言い難い。
でも子供とは親の知らないところでもかなり成長しているもの。終盤の展開でもそれをよく表していましたし、僕自身も今2人の子供がいるので分かるところがありました。
子供の成長は遠すぎたら分かりにくい。近すぎても分かりにくい。子供との距離感の大切さを再認識した一作です。
特に印象に残る場面は無いし、全体的にも逃避行ながら淡々とした運び。でも主人公たちと近い立場にいる人や子育て世代の方だと深く刺さるところの多い作品だと思います。
