Xavier

アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台のXavierのレビュー・感想・評価

3.0
舞台の上だけが、俺たちの自由…
売れない俳優エチエンヌは、刑務所の囚人たちを対象とした演技ワークショップの講師を依頼される。
サミュエル・ベケットの戯曲「ゴドーを待ちながら」を演目に選んだ彼は、一癖も二癖もある囚人たちに演技を指導していく。
そしてエチエンヌの情熱は、いつしか囚人たちや刑務所管理者の心を、動かしていく…
ザックリ言うとストーリーはこんな感じ
実話が基になった作品。
かなり評価の高い作品だけど、そんな良い作品かな?
確かに作品の前半は、演技の"え"の字も知らないような、ずぶの素人に演技をつけていく。その中で、エチエンヌが思っていたことは"リアルだということが大事だ"って事。

"ヘタだけどリアル"
まさに受刑者の彼らはそうだった。
そしてベケットの戯曲「ゴドーを待ちながら」を選んだのも彼らの置かれている状況にリンクしていたから。
彼らは"待つこと"が日常化していた。
"刑期が終わるのを待つこと"
"面会者が来るのを待つこと"
"明日の朝が来るのを待つこと"など…

と結構良いシーンが多かった、前半は…
話が進むに連れ、共感出来ないことが増えていったかな。
公演が上手くいった事で、他の受刑者と違い、自由を謳歌するようになり、一方
エチエンヌもその事で評価されたいと思うようになり、他人の事を思いやれなくなっていく(特に娘との関係が…)

そして、衝撃のラスト。
これは観た人によって感じ方は全く違うんじゃないかな。
演劇界の人たちのコメントを見ると絶賛の嵐。

でも、個人的には全く心に響かなかったし、タイトルにもなっている"アプローズ、アプローズ"(拍手喝采って意味)とはならなかったなぁ
Xavier

Xavier