これを含めて、2016年に市議会の不正を放送したTV局であり、このたび2020年に映画公開を認めた「チューリップテレビ」はすごい。
日本のドキュメンタリーも捨てたものではない。
二人の記者(監督)が訴えたいのは、もちろん日本の政治不正の構図だろう。
・政治への関心が薄く、投票率が低いため、少ない票でも当選してしまう。
・不正をしても、「反省して、もう一度」と言っているからと許して支持してしまう。(第一次政権で「やーめた」と辞任しても総理で、政権を奪われたときの総理だったのに副総理というのがまかり通る国だ)
・不正発覚の当時は騒いでも、時間が経つと追求がなくなる。
・どんどん出てくる不正に「コメントする立場にない」と責任逃れするリーダー。
など、そのまんまだ。
何よりも、この映画の監督二人の姿勢が信用できるのは、自分たちの処遇をも見せているからだ。そして、それをスクリーンに映し出すことを承認した「チューリップテレビ」も立派だと言える。
もう笑うしかない富山市議会の現状なのだが、そんな場合ではない。
今になって不正が追求されている「桜を見る会」の今後も、学術会議の問題も、うやむやに終わりそうな今こそ、みんなで見るべきドキュメンタリーだ。突きつけられた刀は、もちろん政治家を選んだ有権者である我々にも向けられている。
精力的にインタビュー記事に登場し、地方でも宣伝に奔走している監督たちの姿勢にも、その決意が見て取れる。