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愛しのダディー殺害計画のtetsuのレビュー・感想・評価

3.0
チアシアターで鑑賞。

父の再婚をきっかけに、"愛しのダディー殺害計画"を企てた姉妹・マリとエマ。彼女たちの運命やいかに……。

『そうして私たちはプールに金魚を、』を生んだ企画コンペ・MOON CINEMA PROJECTの第3回作品。

完全に合うか合わないかの2択になると思うので、正直に言います。合いませんでしたっっっ!!

ポップな映像は素晴らしいし、それとは対照的な物語の鬱屈とした空気感も良い。
(のちのトークで監督の好きな映画の系統が「地味で暗めなやつ」と聞いて、深く納得した。笑)

しかし、意外と弾けない音楽と、若干、間延びしているようにも感じる展開がイマイチはまらず、監督が表現したいものがありながらも、どうも、中途半端になってしまった印象を受けてしまった……。

特に主演2人のキャラクターはビジュアルに頼りすぎている面があり、もう少し、その人となりを描く部分があっても良かったのかなと。
殺害計画に及ぶ動機やコミカルな掛け合い、尺が短いとはいえ、登場人物をより魅力的に見せる手段はあったわけで、ビジュアル重視な作品だからこそ、物語性を切り捨てるか、もう少し、内容を深掘りしてほしかったという思いはあった。

とはいえ、ビジュアル面のこだわりや唯一無二の世界観が見事なのは事実。

監督の次回作『謝肉祭まで』も純粋に期待してしまう作品だった。

参考

MOON CINEMA PROJECT - MOON CINEMA PROJECT(ムーンシネマプロジェクト/井上・月丘映画財団)
https://www.mooncinemaproject.com/ 

[インタビュー] 『愛しのダディー殺害計画』イリエナナコ監督 「自分の脳内にわがままにしていった方が面白くなる気がしています」 - CINEMOTION
https://cinemotion.jp/2020/12/05/itoshinodaddy/ 
(このインタビューを読んでいる限り、まだ、監督にはやりたいことがありそう。)

イリエナナコ / おしり
https://youtu.be/5rM2ZI-v_Bg 
(監督による別の作品)

映画『謝肉祭まで』監督:イリエナナコ×音楽:BRADIO 製作プロジェクト! - CAMPFIRE (キャンプファイヤー)
https://camp-fire.jp/projects/view/460898 
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