オオカミアニメにハズレなし
ケルト版「もののけ姫」だなーと思って観てたら、やはり監督のフェイバリットに挙がっているらしい。
観るものを惹きつける豊かなアニメ表現×フェミニズムや民族紛争などに対する的を得た社会的問いかけ×トラディショナルなケルト音楽の温かな音色、という三拍子が揃った傑作。
特に、豊かな色彩を用いておとぎ話のようなストーリーを構築していく点に新時代のディズニー作品のような感覚を持ち、個人的には2010年代以降の映画として「かぐや姫の物語」、「オオカミの家」、「スパイダーバース」などに並んでアニメ表現の新たな形を提示する映画だと感じた。人々が住む閉ざされた世界の残酷で暴力的な省略表現がなによりも印象に残っている。