tristana

縁切り闇稼業 重婚詐欺の陰謀のtristanaのレビュー・感想・評価

4.5
中野英雄をコメディリリーフで起用する方針転換が功を奏し、笑いも取り込みつつきっちり怖い3作目。いい按配になり一皮剥けた感のある脚本も総じてレベルが高い。お見合いパーティーで知り合ったヨーロッパ輸入家具商の夏八木勲似の男、宝石屋も始めるってんでどうしても資金が必要、俺のこと好きなら会社の金チョロまかしてくれない?と頼むときには顔が米倉斉加年になるのでそうそう断れない。金が引き出せなきゃソープに落として殴る蹴る、夢のマイホームさえ手に入れば良いと3千万持ち出したが家って住宅展示場で買うの?今回のヒロインの経理の女はC.C.ガールズの山田誉子(バストに掛けられた保険は1億5千万、デボラハリーの唇は?)、会社に横領がバレて死ぬ前に一度行ってみたかったホストクラブ、ナンバーワン(萩原)を教えられピンと来てない反応が最高。1千万消えてるのに何も調べずにただ困った困ったしか言わない課長も最高。もちろんチーク(ダンス)だけで女をイカせる男こと萩原流行の刑法の知識が冴えわたり、テロップも縦に横に忙しい。電話の声紋まで検査しておく念の入れ様だが、これは鈴木松美先生に依頼したであろうことが容易に想像できる。あとこれはシリーズ共通なのだが、クライマックスに突然ダブルの赤の上下で現れて気の利いた自己紹介する萩原流行に対するツッコミ「なに眠たいことぬかしとんねん」で統一されているのが良い。戸籍が闇で取引される西成のガード下で会う力道マン?みたいな名前のヤクザもよく分からないし、ますます何のジャンルなのかが分からない。ミナミならではの気の利いた怖いオチもあり、これはほぼ5点。ちなみに萩原流行と中野英雄が共同経営するホストクラブの店名はGIANN 2(ジャンニ)。
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