さわら

ヘイターのさわらのレビュー・感想・評価

ヘイター(2020年製作の映画)
4.5
難民・貧困・民族の三重に苦しむポーランドで、社会の分断に暗躍する新時代ダークヒーローの誕生譚。フェイクニュースや陰謀論が流行り、大陸を蔓延る「ぼんやりとした不安」はもはや他岸の家事ではない。映画祭うけしそうな『聖なる犯罪者』の100倍おもろい。悪は悪だけを極め、悪の頂点に君臨すればよい。
貶められるリベラル派政治家・ルドニツキの脇の甘さは感じつつも、それを差し引いても十分な傑作。

若干40歳のヤン・コマサ監督。クラブ演出がいい。ヤバさといかがわしさがプンプン漂う。まだまだこれから勢力的に映画を撮っていきそうだし、明るい未来しか感じられない。