わしかずまの中の人

ノマドランドのわしかずまの中の人のレビュー・感想・評価

ノマドランド(2020年製作の映画)
3.8

【あらすじ】
リーマンショックの影響で、家を失ったファーン。
キャンピングカーに亡き夫との思い出や、人生の全てを詰め込んだ彼女は、現代のノマド(放浪の民)として車上生活を送ることに。
仕事を求めて全米各地を動き回ってたが、専門職での経験があったとしても、それを活かせるような職がほとんどなく、安い時給で過酷な肉体労働に従事するほかなかった。
毎日を懸命に乗り越えながら、行く先々でノマドたちと出会い、交流を重ねていく。

【事前情報】
今作は第93回アカデミー賞で、計6部門にノミネートされ、作品賞、監督賞、マクドーマンドの主演女優賞を受賞。
監督のクロエ・ジャオは有色人種の女性として初めて監督賞を受賞し、製作・主演のマクドーマンドは同一作品で製作者と出演者の両方として、アカデミー賞を受賞した史上初の人物となった。

製作・主演のマクドーマンドは、ジェシカ・ブルーダーのノンフィクション「ノマド: 漂流する高齢労働者たち」を読んで衝撃を受け、映画化権を購入。
マクドーマンドは夫に「65歳になったら、名前をファーンに変えたいと思う。ラッキーストライクを吸ったり、ワイルドターキーを飲んだりしてRV車で気ままに暮らしたい」と語っていたそうで、自身が主演を務めている事からも、今作への思い入れが伝わってくる。



👇以下、ネタバレ含みます👇
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【所感】
とにかく印象に残っているのは、アメリカ🇺🇸の広大な土地。
日本とのスケールの違いを思い知らされる。
アメリカは、ロードムービーに相応しい土地なのだろうな。
冬のシーンは、真っ先にコーエン兄弟のファーゴを思い出した。
真冬なのに、寒い土地に固執する理由は何故だろうと思ってみたり🙄

基本的には、これといった事は起こらないのだけど、ちょくちょく滑稽?とも言える場面も。
プリウスでノマドやってたり、バスを見て「高級車ばかり」って言ってみたり。
まあ、確かにそうなんだけど。
この辺もコーエン兄弟っぽさがある。
でも、スペアタイヤ乗せてないのはアウトでしょ。

先が長くないだろう、スワンキーの話には凄く惹き込まれた。
これがノマドの魅力なのだろう。
皆、何かを抱えてノマドになっている。
でも、パッと見だと浮浪者にしか見えないんだよなぁ。
バックパッカーとかなら、やってみたいと思うけど、ノマドはなぁ😅
やっぱ水回りがどうしても課題だよね。
高級なキャンピングカーだったら、シャワーなんかも付いてるけど。

【まとめ】
今作は、没入できるかどうかで評価が変わる作品。
画は綺麗だし、影の使い方も上手くて、ファーンの心情を上手く反映していたけど、没入するまでは行かなかったかな😢

自分の家ではないにしても、帰るところがある。
みんな「あえて」ノマドを選んでいる様子。
それがアメリカらしい文化なのかしら。
確かに、アメリカは開拓民が開拓して、人種のるつぼとして成り立っているけれども。
この辺が共感できるかどうか、といった作品なのでしょう😌