「ここの人間達は
最後のさよならがないんだ。
『またどこかで』それだけだ。
君もまたボーに会える」
広大無辺な西南アメリカの美しい大地で、ちっぽけで身寄りのない老人達が漂流しながら生活している。
彼らは自由で自然と同化した生活を謳歌している代わりに、過酷な環境で同じような漂流民たちで支え合いながら何とか暮らしている。
"人生を終わり"に直面している老人達が
朝焼けという"日の始まり"に佇む姿がとても美しく、なんだか自分の未来を見ているようで悲しくもあった。
主人公のファーンは幸せなんだろうか?
僕は彼女が時折見せる表情の中にある固いものが、どうしても辛そうに見えてしまう。
でもそうやって旅する生活には憧れてしまう。
僕もこんな孤独の中で、
自然と一体となるような形で死んでみたい。