地球外生命体

国境の夜想曲の地球外生命体のレビュー・感想・評価

国境の夜想曲(2020年製作の映画)
3.5
『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』でベネチア国際映画祭の金獅子賞、『海は燃えている イタリア最南端の小さな島』でベルリン国際映画祭の金熊賞と、それぞれドキュメンタリー映画で最高賞を受賞しているジャンフランコ・ロージ監督が、3年以上の歳月をかけ、イラク、クルディスタン、シリア、レバノンの国境地帯で撮影したドキュメンタリー。

9・11米同時多発テロやアラブの春、そしてアメリカのアフガニスタンからの撤退。さまざまな情勢によって巻き起こる侵略、圧政、テロリズムなどにより、多くの人々が犠牲となり、数多の痛みに満ちた土地を、ロージ監督は通訳も伴わずにひとりで旅をし、土地に残された母親や子ども、若者たちの声に耳を傾ける。母親たちの哀悼、子どもたちの抱える癒えない痛み、精神病院の患者たちによる政治の無意味さについての演劇など、ロージ監督が旅の中で見聞きしたものを通し、暗闇の中に一条の希望を見いだし生きようとする者たちの姿を浮かび上がらせる。

2020年・第77回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。第33回東京国際映画祭では『ノットゥルノ 夜』のタイトルで上映。

★2020年ヴェネツィア国際映画祭
ユニセフ賞
Arca CinemaGiovani Award
Sorriso Diverso Venezia Award
★2020年セビリア・ヨーロピアン映画祭
撮影賞
★2020年カプリ・ハリウッド国際映画祭
ヨーロッパ映画賞
★2021年イタリア映画ジャーナリスト協会
Silver Ribbon of the Year
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