人喰いうなぎ

鬼火の人喰いうなぎのレビュー・感想・評価

鬼火(1996年製作の映画)
3.7
筋書きは古典的任侠映画なんだけど、序盤に古本屋で
「これいくら」
「180万円」
「釣りいらんわ家でも買うて」
と冗談と日常会話が地続きの世界(っていうかただの大阪)を描き
その後自動車教習所で原田芳雄の素性を知って、冗談だと思っていた講師がビビる流れかと思いきや最後までビビらずに流してしまう

この2シーンでこの映画における原田芳雄が一線を超えるラインがわからなくなる


片岡礼子から銃が欲しいと言われた原田芳雄が「ちょっと話しようか」と外に出るシーンがあるんだけど、あそこでわざわざ室内からのアングルになって原田芳雄と片岡礼子がシャッターを開けて出て行くカットが入っている
普通ならあのカット外して「ちょっと話でも」ってフレームアウトしたら次のカット外行っちゃうと思う
特に印象的にするわけでもなくヌルッと一線を超える
いや本当にあそこで超えたのかもはっきりしない地続きのテンションがある
そしていざアクションになるとパッとセンスを出す

だからあの終わり方は本当に怖い