ホンのシネマ

犬部!のホンのシネマのネタバレレビュー・内容・結末

犬部!(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

実は私、昔動物病院で働いていたんです。
獣医ではなく、動物看護師の方でですが。
「動物が子供の頃から好きで」という獣医学生さんたちの気持ちは痛いほどよくわかり、そして動物好きなだけでは耐えられない世界だということも知っています。

もうかなり昔の話になるので、今の状況がどうかはわかりませんが、「可愛い!」だけでは済まない現実もしっかり描かれている作品で、もうずっと半泣き。

動物の殺処分ゼロを口に出していうことは簡単だし、表面上手伝ったりすることは簡単だけど、主人公の颯太のように実践することはとても難しい。
そして、颯太とは違うアプローチで動物たちを救おうとする柴崎。
実際にに救えない命もたくさんあって心が折れてしまいそうなこともあると思う。
そこをあくまでも前向きに、そして若干の怒りを滲ませているものの、決して動物を追い詰めている人たちを責めない颯太はファンタジーかと思いきや、しっかりとモデルがいるとのこと。(林遣都くんの演技が素晴らしい!他の作品では、あんなに顔歪ませて話している印象ないんだけど、すごい役作りなのかな)
柴崎にもモデルがいるらしく、現実に戦っている人がいるんだと、余計にこの作品をたくさんの人に観てもらいたくなった。
そして、原作本をしっかり読みたいなあと思いました。(本も漫画もあるんですよね?)

さて、ここまで書くと社会派の映画でしかないようですが、とにかく登場する動物がみんな可愛いです。
私は猫派で家に猫しかいませんが、犬との暮らしもしてみたくなりました。
早く早期リタイヤか完全リモートでできる仕事になりたい。
職場に犬連れて出勤するのも憧れていたなあ。
そんな妄想も可能にする素敵な作品です。
あと緑の映像が綺麗です。
大学の校内もそうですが、自然の中にいる犬たち。
美しすぎる。

この作品を通して、多くの人がこの問題について考える機会ができますように。
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