にょいりん

ウィッカーマン final cutのにょいりんのレビュー・感想・評価

ウィッカーマン final cut(2013年製作の映画)
3.0
サマーアイルという孤島で行方不明になった少女を捜索する巡査が、原始的宗教を信仰する島の奇妙な習慣に戸惑い、次第に取り込まれていく恐怖を描いた作品。熱心なキリスト教の巡査が国の法律とキリスト教という権威を振りかざして自分の正義を島民に押し付けようとするが、それがまったく愚か者の振る舞いだったという事を痛感し絶望するという結末が怖くもあり、なんだか気分が晴れる不思議な後味だった。ラストシーンで信仰の悲痛さと対照的な呑気さが入り混じって、荘厳に燃え上がる巨大なウィッカーマンがやけに美しかった。(アリ・アスター監督「ミッド・サマー」的なと言ったら伝わるでしょうか)

また、異端とされるサマーアイル島の風習は奇妙でエロくはあるけど、なんだか楽しそうで、特に音楽や踊りは色んな事がどうでもよくなるような怠惰さがあった。