白井

ザ・フラッシュの白井のネタバレレビュー・内容・結末

ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ヒーロー映画だと思って観ると最後の展開にモヤモヤする。2時間かけてやった世界を救う戦いも母を救う行動も全部無意味だった?父の無罪を証明できたのは主人公にとっては大きい事かもしれないがヒーローものとしてはすごく小さい事。うーーん。
アクロスザスパイダーバースとたまたま同時公開なのもあって、コレをビターで感動する物語とするのは違うと思ってしまう。自分の運命は自分で決める!vs運命は変えられない。
変えろよ。
タイムトラベルする前のシンプルヒーローパート、赤ちゃん救出大作戦が超面白いだけにそのままヒーローとして人を助ける話を期待してしまった。
あえての作りもの感満載の映像も、漫画的でシュールギャグにすら見えるとんでもアクションも感性ドンピシャで大好きだったから余計ラストにモヤモヤする。なんでそこだけ嘘付かないんだよ!!ヒーロー映画じゃないのかよ!!救えよ!!!

バットマンもスーパーガールもティーンフラッシュも大好きだったけど、彼らのチームを組むまでのいざこざとか、ついに力を合わせた戦いとかは全て実らなかったって事?それで良いのか?

キャラの魅力は凄まじい。一見ダサいコスチュームをカッコいいと錯覚させる細部に拘ったキャラデザと演出。顔を見ただけでどんな人かイッパツで分かる表情の演技。しれっとした行動、笑える会話、動きを伴った楽しい会話で人柄が伝わる。キャラクターの説明が快感になってるスマートさ。
母を失った経験があるかないかだけで、キャラクターの性格が大きくかつ自然に変わるのも凄い。その“違う”2人の会話がまた面白い。
キャラクターの説明もそうだが世界観、設定の説明も超スマート。スーパーヒーローは沢山いるのに皆んな忙しいから手伝ってくれないというのをギャグにしたり、映画が始まった時はすでにヒーローで、オリジンを後から過去の自分にやらせる事でドタバタコメディにしたり、クマのぬいぐるみひとつで母への思いを表現したり、タイムトラベルを圧倒的なビジュアルだけで説明したり、超スマート。良く出来すぎてる。

誇張マシマシの映像表現も最高。
いいシーンでここぞとばかりにダサいはずのフラッシュのスーツを接写すると、細部はカッコいいからワクワクしちゃう。キラキラだし。雷だし。
フラッシュのスーツ(顔)は俯瞰からアップで撮ったらカッコいいと気付いた人凄すぎる。
速いシーンも風景が歪んだり、水飛沫がありえんぐらい出たり、楽しむ事に抜かりない。
CG感丸出しでマルチバースが曼荼羅の様に広がって見えるのもカッコいい。
エンドロールのあの時犬はこうなってた!!も良かったな〜。

沢山ある好きな所を好きになればなるほど虚無がデカくなる嫌な映画。大好きだけど大嫌いだからスコア付けられない。星5であり星1でもある。

2
白井

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