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ザ・フラッシュのdramaticgasのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ゴージャスだけどラフな往年のDCコミックス映画のテイストに、フラッシュポイント実写化という大ネタをぶっ込んだムービー。

近年(といっても10年以上前だけど)最も成功したリランチがNEW 52であり、そのきっかけとなったフラッシュポイントの重要度はアメコミファンには周知の事実のことだろう。そのフラッシュポイントの実写化である本作は(原作コミックがそうであるように)複雑化し低迷しつつあったDCEUをリランチし蘇らせることを期待されていたのだと思う。でも公開前にジェームズ・ガン率いる新体制でのDCコミックス映画の仕切り直しがアナウンスされてしまったので、DCEUを追っていたファンにとっての本作の立ち位置が超微妙なものとなってしまったのは否めない。

ただ、そういうややこしい事情をとっぱらっえば、フラッシュの高速ヒーローアクションはユニークで、対照的だけど根は同じな二人のバリー・アレン(演じるエズラ・ミラーの天才的な役者パワー!)はそれぞれが魅力的だし、ベン・アフレックのバットマンの(おそらく最後の)活躍もクールで、更に老体に鞭打ちながらキメるところしっかりキメてくれるマイケル・キートンのバットマンまで観れる超ゴージャスな作品となっている。わけてもサッシャ・カジェが演じる超フレッシュなキャラクター&ルックのスーパーガールは素晴らしく、DCは今すぐ彼女メインの映画作れ!と思った。

本作はマルチバースものというより寧ろタイムパラドックスものといった側面が強く、メインのストーリーラインは意外とストレートで分かりやすい。その意味で(制作の時系列的にも)本作に一番近いのはブライアン・シンガーの「X-MEN:フューチャー&パスト」だと思う。

ただ、続編や企画自体が実現しなかった作品をマルチバースとして登場させてみせた本作の続編が実現せずに終わりそうなのは、さすがにメタすぎると思った。