ベイビー・ブローカーのruublueのネタバレレビュー・内容・結末

是枝監督作品。韓国を舞台にソン・ガンホをはじめとする韓国俳優陣で世の不条理に切り込まず、スッと入り込む様な映画。

〇〇箱は社会悪だから言語道断、あってはならない！！そう言ってお終いにならない、その先の現実を引き受ける人がいる。
どこまでが善意？危うい線引きの上に立つ人物を演じられるのは芸達者なソン・ガンホ氏。


勝手に想像していた、役柄上のアクの濃さは表出されないまま物語は進行する。受け手とも見える薄さに周りのキャストの存在が色を与えて行く様な進ませ方が興味深かった。

中心人物の在り方を視聴者の想像や概念から遠く離す事によって映画テーマ上の閉塞感が引き伸ばされる様に感じられた。重たいテーマだけど見守ってしまう映画でした。

是枝監督作品は詳しくない私ですが、この一作を味わう事で、一つの灯りのもと、肩を寄せ合って生きる人々を描かれる監督なのだろうなと思いながら鑑賞。否定も肯定もない目線、初めて観るけれどどこか懐かしい様なイメージを貰った気分でした。