青い御伽噺

冬のほつれまでの青い御伽噺のレビュー・感想・評価

冬のほつれまで(2020年製作の映画)
4.4
これは凄い!!

久しぶりに面白い邦画を観た!

映画の冒頭いきなり

“4日前”

で、始まる。普通は何か出来事があって、さかのぼって“4日前”やん。

え、なにの4日前なの??

ってところからグッと心掴まれた。

それから、淡々とした主人公の少女の日常が描かれるのだけれど、これが素晴らしい。

日々の生活の中にある美を観察しスケッチするとても感受性の鋭い少女で、完全に自分の世界を持っている。
彼女はその世界のルールを厳密に守りながら生きていて、その世界だけが自分の安らげる世界なんだと信じている。

朝は植物に水をやり、昼はマシュマロとプリンシェイクを食べ、夜は喫茶店でクリームソーダを飲む。

そんな彼女に興味を持った1人のクラスメイトが現れ、グイグイ接近してくる。そのクラスメイトの女の子の描き方もとても良かった。

さらに、画面レイアウトが美しく、自然の光や音が心地よい映像。

どのシーンもとても静かなんだけど、笑えるシーンはちゃんと笑える!そこが本当に凄い!

喫茶店の隣の席で繰り広げられる意味のない会話や売店のおばちゃんから教えてもらえる占いの内容など、かなりセンスのいい笑いのエッセンスが散りばめられていて、何度も声出して笑ってしまった。

この監督の映画はちょっと楽しみだなー。商業主義に染まらないで、自分が本当に面白いと思う作品を撮り続けてほしいなー!!
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