dita

甦る三大テノール 永遠の歌声のditaのレビュー・感想・評価

4.5
@ 第七藝術劇場 12

(腹式呼吸で) bravo‼︎‼︎‼︎‼︎

早起きは三オクターブの徳。Nessun dormaはもちろんO sole mioを聴いたら無条件で泣くでおなじみわたしにとって至福、至高、最高のひととき。パバロッティのソロをチラッと見てニコッとするカレーラスに泣いたし、他のふたりとの距離や緊張感をどこかで保っているドミンゴににんまりしたし、譜読みしてなくてメータんに「笑いごとじゃない!」って怒られてる3人に「せやせや!ちゃんとやりや!」ってなった。

カラカラ浴場を模倣して滝やら木々やら作っちゃったドジャースタジアムはアメリカ!って感じで面白かった。演奏始まったら暗くなるから見えへんよね…。

きちんと芸術と金の話に言及したのもよかった。オペラを俗物にしたという批判があるのを初めて知ったけれど、あの3人が歌うことによってもたらされる費用対効果やクラシックの間口や裾野を広げた影響を考えると全然オッケーだと思う。流行らなければ、話題にならなければ発展はないでしょ。

音楽には力がある、なんて思わない。音楽で誰かや何かを救うとしたらそれは音楽ではなく儲けた金で、なんだろう。それでも理由もわからず涙が出たり、心から楽しい時を過ごせたり、金では動かせない感情を動かすことができるのが音楽だと思っている。わたしはこの作品で泣いて笑って心からうっとりした。わたしの感情はまだ生きている。
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