ぶみ

炎のデス・ポリスのぶみのレビュー・感想・評価

炎のデス・ポリス(2021年製作の映画)
3.5
どいつもこいつもゲス野郎。

ジョー・カーナハン監督、ジェラルド・バトラー、フランク・グリロ等の共演によるアクション。
砂漠にある小さな警察署が戦場と化す一夜を描く。
主人公となる殺し屋ボブをバトラー、詐欺師テディをグリロ、新人女性警察官ヴァレリーをアレクシス・ラウダー、もう一人の殺し屋アンソニーをトビー・ハスが演じており、主要登場人物はこの四人。
物語は、冒頭、追っ手から逃れるため、自ら暴行事件を起こし、人里離れたガンクリーク警察署に収監されるテディのシーンでスタート、そこに後から収監されてきた殺し屋ボブや、ガンマニアでもある新人警官ヴァレリーが絡み出す展開となるのだが、他の警察官も皆クセ強めではあるものの、中盤までは、ほぼほぼ会話劇が中心となり、あまり物語が動かないため、少々退屈だったのが正直なところ。
しかし、もう一人の殺し屋アンソニーが登場してからは一変、このアンソニーがかなりのサイコパスっぷりを見せており、署員を次々と躊躇いなく血祭りにあげていくため、警察署がまるで閉ざされた監獄のようになることに。
そこからは、対立する四人が時にタッグを組み、時に派手に撃ち合いと、誰が味方で誰が敵なのかわからない中、銃撃戦を中心としたノンストップアクションが繰り広げられるため、前半との対比が際立った次第。
何より、前述のような人里離れた警察署で、なおかつ留置場に閉じ込められているという二重のワンシチュエーションとなっており、そんな密室状態におけるサバイバルバトルはスリル満点。
原題である『Copshop』の直訳が警察署と、至ってシンプルなものであるのに対し、B級感溢れる邦題となっているが、なんのなんの、至って真面目に作られており、クセ強めなキャラクターが繰り広げる一夜のバトルに釘付けになるとともに、誰が生き残るのか、その目で確かめて欲しい一作。

見慣れぬものに警戒せよ。
ぶみ

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