レネリー

キャッシュトラックのレネリーのレビュー・感想・評価

キャッシュトラック(2021年製作の映画)
4.7
劇場にて鑑賞

あの黄金コンビが再び傑作を編み出してしまうとは…。
本作はフランス映画『ブルー・レクイエム』を題材に、16年ぶりとなるG・リッチーと今やアクションスターの頂点とも言えるJ・ステイサムが再びタッグを組み製作されたクライムアクション。
まず初めに一言抑えておきたいのが、従来のステイサムアクションを求める人は不発に終わるであろう。

“H”という冴えない新米警備員の隠れた陰謀と狂気と復讐心を描く物語であるが、本作では時系列を不揃いにするプロットで描くが、これがまた伏線回収の様な面白さを醸し出しており、作中の異質な空気感と緊張感、突然にして起こりだすアクションシーンと大迫力の銃撃戦。

監督独自の世界観がモロに出ている訳でもなく、かと言ってステイサム映画っぽさも無い。『ロック・ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』から『スナッチ』『リボルバー』とアクションとは程遠い実験的かつ挑戦的な作品が多かった初期作から、それぞれ違うキャリア形成で得た独自の創造性が5:5の比率で作られたような作風に感無量。
まさにこのコンビだからこそ編み出すことができた異質なクライムアクションに誰もが酔いしれるだろう。

実にステイサム作品は久々であり、期待値も高かったが、その期待を上回るほどの近年稀に見る傑作に仕上がっていた。
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