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シカゴ7裁判のmasayaのレビュー・感想・評価

シカゴ7裁判(2020年製作の映画)
4.1
 ベトナム反戦デモで起きた暴動の首謀者として逮捕起訴された、7人の立場も主張も異なる活動家たち。反体制への見せしめの為の、有罪ありきの理不尽な裁判で、自らの信念を貫き通す為に取った最後の一手とは。自由の国アメリカの良心の在処を問う、現代性ある法廷ドラマだった。
 被告人同士の立場の違いがこの時代のアメリカ社会の複雑さを物語っていた。同じデモに参加していても、裕福な者と貧しい者とでは動機が異なる。白人と黒人では切実さがあまりに違う。50年前の話ではない。今も昔も変わらず、声を上げる理由について、深く考え理解できているかという話。
 現代性といったけど同時代という言い方をすれば2020年に観るべき映画だったかな。4年毎に平和的に政府転覆が行われる国ってギャンブルかよってなった。
 レッドメインやゴードンレヴィット、よく見る俳優さんの熱演も良かったけど頑迷な権威主義者のホフマン判事が凄かったな・・白を黒という裁判官が掲げる正義とは。
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