Nちゃん

サマーフィルムにのってのNちゃんのレビュー・感想・評価

サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)
4.8
高校3年生ハダシは時代劇映画が大好きだが、所属する映画部で作るのはキラキラとした青春映画ばかり。
自分の撮りたい時代劇がなかなか作れずくすぶっていたハダシの前に、武士役にぴったりの理想的な男子、凛太郎が現れる。
彼との出会いに運命を感じたハダシは、幼なじみのビート板とブルーハワイを巻き込み、個性豊かなスタッフを集めて映画制作に乗り出す。
文化祭での上映を目指して順調に制作を進めていくハダシたちだったが、実は凛太郎の正体は未来からタイムトラベルしてきた未来人だった。


映画の素晴らしい要素が全て詰まった青春度100%の青春キラキラ映画がこの令和に映画として作られたことが素晴らしい。

何度もラストシーンを作り直したけど、上映会で完成されたラストシーンをさらにその場で即興で撮り直すというラストシーンが最高にエモくて最高に胸が高まった。

未来からやってきた未来人という設定はタイムトラベル要素を含むが全然嫌な感じがなく、あたかも自然な感じで未来人がいるという感覚が絶妙に自然だった。

そして敵対する恋愛映画チームも全然嫌な感じがしなくて、普通は嫌味言ってきたり蹴落としたりするけど、お互い撮影を手伝ったり協力したり良い刺激を与える仲間として敵対チームがいる感じでとても良い関係性だった。
ラストシーンも協力してくれて、なんだかんだ優しい。

未来では映画がなくなってしまうことにハダシは悲しんだが、未来から凛太郎が監督になって、ハダシが作ったデビュー作を絶やさず広めていく未来に変えることができそうな未来が本当に来てほしいと願う。

映画が日常に当たり前にある生活が未来では無くなってしまうなんて考えたこともなかった。
「映画ってスクリーンを通して今と過去をつないでくれるんだと思う私も私の映画で未来に繋げたい」
「他人の物語を見る時間なんて未来人にはない」というセリフが刺さった。
他にもたくさん刺さるセリフがいっぱいあった。何度も見たい映画になった。
Nちゃん

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