MovingMovies

ヘルムート・ニュートンと12人の女たちのMovingMoviesのレビュー・感想・評価

4.0
「写真家に関する映画はつまらない、カメラを構えた背中ばかり映って」とニュートン本人が言う。本作は面白く感じた。たぶんニュートン本人やインタビューに参加した人々(たとえばグレイス・ジョーンズ)の魅力なのだろうと思う。
劇中、スーザン・ソンタグが作品が差別的でもわたしは作者とは区別するとコメントしたあとで、ニュートンが「女性を尊敬している」という意味のことを言うと、「女性差別主義者は皆そう言う」と切り捨てた。作品と作者を区別するのは難しいのだろう。
劇中に登場するモデルは彼との仕事が虚構のなかで変身したかのような自分で楽しかったと語る。
子どもの時に女の子に見とれてて公園で骨折したエピソード、いつか死ぬのに何故死のことを考えなければいけないのか、魂?冗談はやめてくれと話すニュートン。
意図した悪趣味を余裕をもって楽しむといった貴族趣味とでも呼ぶような印象をわたしは持ちました。