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アダムス・ファミリー2 アメリカ横断旅行!のmatchypotterのレビュー・感想・評価

3.6
相変わらずダークでシュールなドタバタアニメーション。

娘のウェンズデーの思春期のモヤモヤみたいなのが、こじれにこじれてややこしいことになる。

もはや“普通”には程遠い価値観のファミリーが、このこじれにこじれた彼女のモヤモヤを解消し、親子の絆を深めよう、ということでアメリカ横断旅行を計画する。

それと並行して浮上する疑惑、、、ウェンズデーは、彼らの本当の娘ではない説。

かつて、病院で取り違えられて実の子供ではないまま育てられ今に至っているのではないかという疑念が彼女のモヤモヤをより加速させる。

クレバーでドライのウェンズデー。
もともと家族とも距離を置き、ふれあいを避ける女の子が、さらにさらに遠のいていく。

それを、アダムスファミリー御一行が彼らなりに、いや、彼らにしかできない方法で彼女と接していく。

相変わらず目の前で起きていることは恐ろしくド派手でシュールなことばかりなのに、この家族にかかるとテンションが思いのほか上がらない。
それがクセになる独特のセンス。

独特の容姿とブラックなジョークとややKYな言動で、真剣に家族や絆や、愛について向き合う。

しかし、結構言ってることや思ってること、やってることはある意味、最もらしい。

人間離れした価値観から生み出される彼らのめちゃくちゃなアメリカ横断旅行。
なのに、どこかものすごい大切なことに触れているような。建前なしでストレートなモノを見せられているような。

終始すごい道中が淡々とシュールに進んでいくが、“最後のおじさん”で度肝を抜かれる。
何となく予想はしてたけど、そこまでの重めの空気と静けさがその最後にものすごい花を持たせているというか。

ちょいちょい余計なことしたり、横道それるおじさんが最後はしっかりそこまでの布石を回収して役目を果たす。

誰が欠けてもアダムスファミリーにはならない。

意外にも家族の大切さや、個性ある家族の温かみを独特のセンスでしっかりと伝えてくる作品。

このヒゲモジャ、スヌープドッグ。スキル、ハンパねぇ。

吹替で観てしまったが、字幕版のウェンズデーはクロエちゃん。ママはシャーリーズセロン。それはそれでもう1回観たくなる布陣。


F:1909
M:801
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