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オマールの父のlpのレビュー・感想・評価

オマールの父(2020年製作の映画)
3.0
東京国際映画祭にて鑑賞。

TOKYOプレミア2020部門よりイスラエルの『オマールの父』。
東京国際映画祭でのイスラエル映画と言えば、2018年にコンペに出品された『テルアビブ・オン・ファイア』で場内が大いに盛り上がったことが、未だ記憶に新しい(それだけに無冠で終わったのは本当に残念!)。個人的にはその『テルアビブ・オン・ファイア』以来のイスラエル映画。奇しくも主演は「テルアビブ~」と同じ、カイス・ナーシェフということもあり期待して鑑賞。
しかし、期待し過ぎた部分もあってか、今作はやや不発に感じた。

イスラエル側で死んだ幼子を抱え、パレスチナへ戻らんとする父親が主人公。彼は何とか越境しようとするが、政府の外出禁止令により越境できずにいた。暑さもあり、このままでは子どもの遺体は越境前に腐敗してしまう。そんな時、1人の妊婦と出会い・・・という話。
背景にイスラエルーパレスチナ問題を置きつつ、政治的な問題とは無関係なイスラエル人とパレスチナ人の交流を描く視点は悪くない。ただ、物語の中身がイマイチに感じた。

父親は妊婦の力も借りつつ、何とか越境しようとする。しかし、やっていることは「第三者に子どもの遺体を運んでいることがバレないようにすること」と、「子どもの遺体が腐らないように遺体を冷やすこと」の繰り返し。あとは道中の会話劇ぐらいなので、途中で少し飽きてしまった。アート色の強い作品という訳でもないので、2時間近い上映時間でやるなら、もう少し物語に捻りが欲しい。

個人的には少し不発でしたが、決して悪くはなかったので、気になる方は機会があればぜひ。
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