ヨダセアSeaYoda

ノー・チョイスのヨダセアSeaYodaのレビュー・感想・評価

ノー・チョイス(2020年製作の映画)
4.0
"彼らは何も求めてない"
"彼らは権利を知らないのよ"

"私は助けてるの"

【STORY】
 ホームレスの少女は、自分が知らない間に妊娠できない身体に施術されていた事を知った。
 それを聞いた弁護士は独りで、ホームレスの苦難など聞こうともしない社会に立ち向かう…


【一言まとめ】
●家があろうとなかろうと同じ人間だ
●医療機関、権力者の横暴が許せない!
●キレずにベストを尽くす弁護士に拍手
●でも医療機関側にも言い分が…
●1人1人が現状と向き合って声を上げなきゃね
●カメラワークが謎にポップ


【感想】
《イラン映画3貫》1貫目
《東京国際映画祭11》

 身分証明書のないホームレスだって、他の人々と同じ人間。
 でも殆どの他人は、我関せずで見て見ぬフリか、"面倒ごとを持ち込むな" スタンス。
 その中で、正しさを貫こうとする弁護士の姿は素晴らしかったし、だからこそ見ていて辛く、もどかしい気持ちにさせられましたね…。

 タライ回しが酷すぎて、よく弁護士がキレないなと。常に冷静にベストを尽くそうとする姿勢に心から尊敬させられました。

 医療機関や権力者の横暴、証拠を操作されかねない、弱者に不利過ぎるシステム。
 訴えようとするのがホームレスである事で更にそれが暴かれにくいというもどかしさが辛かったです。

 でも医療側にも言い分や守りたいものはあって…一筋縄ではいかない社会の複雑な問題が浮き彫りに。


 ネタバレを避けては言えない本当にきついシーンもあり、衝撃的でしたね…


 誰かが声を上げなければいけない。それが1人2人ではなく、大勢で変えていかなければいけない。でも複雑な現実問題がそう簡単に変わるのでしょうか…
 現状と、そして未来に目を向けさせられる作品でした。


 謎にポップなカメラワークは、鑑賞後に他の映画ファンさんと話していて話題になりました。笑
 シリアスな話なのにズームの勢いが凄かったり、無駄に凝った演出はちょっと気になりましたね笑


【個人的ランキング】
《TIFF2020トップ10》
①燃ゆる女の肖像
②皮膚を売った男
③ラヴ・アフェアズ
❹ノー・チョイス
⑤スカイライン-逆襲-
⑥トラブルウィズビーイングボーン
⑦新感染半島 ファイナル・ステージ
⑧ポゼッサー
⑨モラル・オーダー
⑩スレート

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観た回数:1回
直近の鑑賞:東京国際映画祭(20.11.06)
ヨダセアSeaYoda

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