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私立探偵エイブ 折り紙殺人事件のGreenTのレビュー・感想・評価

3.0
これはエンディングを「おお〜!」と思うか、「ふざけるな〜!」と思うかで感想が変わる映画じゃないかと思いました。

主人公のエイブ・アップルバーンは、小さいときから頭が良く、探偵映画の犯人をいつも言い当ててしまうような子供で、裏庭のツリー・ハウスで探偵事務所を開き、1件50セントでクラスメートたちの依頼を受けてきた。12歳のとき、学校の基金を盗んだ犯人を突き止めたことから時の人になり、クラスメートで市長の娘、グレースを受付係として雇い、街に正式に探偵事務所を開いた。近所のアイスクリーム屋さんには生涯無料パスポートをもらい、順風満帆な子供時代だったのだが・・・・。

現在30代前半のエイブは、相変わらず探偵をやっているが商売上がったりで、街の人からも嫌われている。というのも、14歳のときグレースが何者かに誘拐され姿をくらましたが、街の人たちの期待にも関わらず、エイブはこの事件を解決できなかった。それ以来すっかり自信も信頼も失くし、今では迷い猫を探すくらいの仕事しか来ない。学校の基金を盗んだ犯人だったクラスメートは未だにエイブを恨んでいてバーで殴られるし、アイスクリーム屋さんで無料のアイスクリームをもらうと嫌な顔される。

この映画、厳密に言うとカナダ映画なのですけど、エイブを演じるアダム・ブロディの「昔イケイケだったのに30代ですでに落ちぶれた人」の雰囲気が、ちょっと『アンダー・ザ・シルバーレイク』のアンドリュー・ガーフィールドを彷彿とさせ、この世代のアメリカ映画っぽいなあと思いました。

エイブはキャロリンという女子高生から、ボーイフレンドを殺した犯人を探してと依頼され、自尊心と街の人たちの信頼を取り戻すためこの件を引き受けるのですが、この調査の過程はダラダラと長い上、どこに向かっているのかもハッキリしないので中だるみしそうなもんなのですが、この感じもなんか『アンダー・ザ・シルバーレイク』に似た雰囲気で、ちょっと昔の探偵映画を意識したようなレトロな音楽とか、個人的には興味を持って観てました。

この先はネタバレになるのでコメント欄で!
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