むぅ

総理の夫のむぅのレビュー・感想・評価

総理の夫(2021年製作の映画)
3.3
「もう見ないのっ?」

確か小6。
[国会中継を見た感想を聞きます]という宿題が出た。
10分見てテレビを消し部屋に退散しようとしたら、母が背後からそう言った。

「なんであの人たち大人なのに人の話ちゃんと聞かないの?」
私にはあの野次がどうしても理解出来なかった。それは未だに。

「もしも私が総理大臣になったら、何かあなたに不都合はある?」
その言葉通り、妻が総理大臣に。
夫の日和は、総理の夫に。
そこから始まる激動の日々。

色々考えながらも、結果、面白く観た。うーん、ただ。願わくば。
例えば、当たり前に妻が"別姓"で活躍していたり、お、クォーター制になってるのかな?と思えるくらいの描写があったり、があっても良かったんじゃないかな、と個人的には思う。
もちろん、そこを目的とした映画ではないと思うので、ごちゃごちゃ言うのも野暮かな?と思うのだが、だからこそ夫婦別姓や同性婚、その辺がサクッと実現されている世界も観たかったかなとは思った。

夫婦がお互いにちゃんと相手を想いあっているところが良い。
夫である日和が、妻の凛子が総理大臣になったことでぶんぶん振り回されるのだが、実は夫婦でもう少しちゃんと会話がされていたら、振り回され具合はもう少し下がるようにも思う。
自分が大変な時、相手が大変そうな時、相手を思いやるだけでなく、その状況を伝えておくことって大切だなと改めて思った。
未来永劫そんな日はこない事は分かっているが、パートナーが知らないうちに総理大臣になっていたら「いや、待て待て待て」と文句の一つも言いたくなりそうである。いや、多分言う。

コミュニケーションは大切、そう思っているけど、どんな風に大切にするか、コミュニケーションの中でもどんな所が自分は至らないかを改めて考える良い機会になった。
むぅ

むぅ