masaya

おもいで写眞のmasayaのレビュー・感想・評価

おもいで写眞(2021年製作の映画)
4.0
 お年寄りの遺影写真って、何故かいつもピンボケ。そのぼやけた表情にその人の人生の喜怒哀楽は写しきれない。元気なうちに、遺影写真を取りませんか?それは今までの人生を再定義し、これからの人生の解像度まで上げる。撮られる人だけでなく、撮る人、見る人も。

 撮る人、主人公の結子が夢破れて地元に帰ってきた、生真面目で嘘が嫌いな女性でもうずっと不機嫌な顔をしてるか泣いてるかしてた。一生懸命なんだから愛想笑いしてる暇なんかないのだ。だからこそ、最後の笑顔が意味あるものにもなってくるんだし。
 撮られる人、この映画の独居高齢者が多く暮らしているのが昭和40〜50年代に建てられた地方の大型集合住宅団地で、老朽化は進んでいるし当然エレベーターもない。横の繋がりも希薄。ふだん顔は見えないけど、確かにたくさん居るはずのその人たち。もしかしたら、僕達の将来であるその人達。

 そしてこの映画も富山ロケ!最近観る邦画がみんな富山でロケしてる気がする。確かに町も自然も良さそうな場所が多いし、フィルムコミッションがしっかりしてるんでしょうか。
masaya

masaya