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サムジンカンパニー1995の福福吉吉のレビュー・感想・評価

サムジンカンパニー1995(2020年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
サムジン電子で働く高卒の女性社員イ・ジャヨン、チョン・ユナ、シム・ボラムの3人は雑用ばかりの毎日にうんざりしていた。ある日、所用で工場に出向いたジャヨンは工場が川に汚染水を流出している恐れがあるため、調査を要求する。要望通り、工場の水質検査が行われ、安全性は確認されたかに見えた。しかし、ジャヨンたち3人はその調査書の信ぴょう性に疑問を持ち、調べ始める。

◆感想◆
1995年の韓国のソウルの大企業を舞台に、社内で低く評価されていた高卒女性社員たちが会社の汚染水流出の真相を暴く姿が描かれており、理不尽な差別や困難を乗り越えて女性社員たちが意地を貫き通す姿の痛快さが心に残る作品でした。

イ・ジャユン(コ・アソン)、チョン・ヨナ(イ・ソム)、シン・ボラム(パク・ヘス)の3人は優秀であるにも関わらず、性別や学歴で不当に扱われており、コーヒーの淹れ方や書類のまとめ方、どこに書類があるかなど雑用を押し付けられていて、とてもリアルに感じました。1995年ぐらいだとパソコンの使い方とか聞く上司がいたなあと懐かしく感じました。

ジャユンが工場で汚染水の実態を知り、ストーリーが大きく動き出すのですが、当然のごとく会社内で不審な動きが始まり、それに3人がその不審な動きの真相を暴こうとするのですが、ジャユンたち3人は元々、会社内で低い位置にいるために出来るだけ波風立てずにコソコソ動きます。これがハラハラする展開と3人のユニークさが上手く出ていて面白かったです。

ストーリー後半になると、流れが二転三転して先の読めない展開が続いていき、観ていて飽きる暇などありませんでした。特に勝ったと思ったところからどん底に叩き落とす展開は凄まじかったです。

1995年の懐かしい雰囲気の中で女性社員たちが力強く立ち上がる姿はとても頼もしくて、観ていて楽しかったです。

鑑賞日:2024年2月24日
鑑賞方法:CS ムービープラス
(録画日:2023年4月6日)
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