せりな

岬のマヨイガのせりなのレビュー・感想・評価

岬のマヨイガ(2021年製作の映画)
3.0
震災後の岩手沿岸の町で居場所を無くした小学生と17歳の女の子。
不思議なおばあさんと出会い、新しい居場所を見つけていく物語。
現代的なテーマと遠野物語という古典的なモチーフを活かした物語は、児童文学らしい作品ではあるが大人が見ても十分楽しめる内容になっていた。
明るめの色彩設計に美しい自然描写、食べ物の描き方にも力が入っておりアニメーションとしてのクオリティも高かったです。

大竹しのぶの存在感が遺憾なく発揮されたおばあちゃんと、芦田愛菜の演技も素晴らしかった。
血の繋がりに縛られない関係は、シスターフッドと言えるのかな。
世代の異なる女性たちが寄り添って、自分たちの居場所を見つけていく物語として成立していました。
原作は17歳の女の子ではなく大人の女性みたいだけど、アニメの設定も良かったと思います。

どうして自分だけがとか、孤独を感じている人に寄り添ってくれる作品だと思います。
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