軽率

ジプシーの軽率のネタバレレビュー・内容・結末

ジプシー(1962年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

Rose's Turn知ってるー!の理由で見始めたけど、あんな曲だったんか…もう、怖いわ。すごい映画だとは思う。すごいけど、嫌い。怖くて泣いちゃった、冗談じゃなく。何があってもへこたれず、ずっと前に前に突き進むローズ…娘への執着と束縛。
自分の夢を全部娘に押し付けて、娘も彼氏も手放さない。解放してよ!の叫びも、実際のところ、届いてないんじゃないかな…。最後、和解してる?無理ー!!!ホラーじゃないし、良い話っぽく描かれてるのが余計に怖い。時代や環境の問題はあるにしても。
ママが早くハービーと結婚すれば普通の生活ができるのに!の歌も、娘たちが気の毒すぎて怖い。 まともな教育受けてないし、自分の生まれ年も正確には分かってない…ってレベルからの"普通"。ハービーが子ども好きで心の広い人なのだけが、ママの良いところです…。
ジューンがいなくなった後、駅でローズが歌う時の、後ろで何とも言えない絶望の顔してるルイーズとハービー、キツすぎるんよ…。

「失敗したままやめたらそれは"逃げ" 成功してやめれば誇りある引退になる」とかも、ここだけ切り取ると良いセリフに聞こえるけどエンタメ偏執狂のホラーでさぁ。スターになる(させる)ためなら!って場末のストリップクラブで娘を脱がせる時のセリフよ(映画上で過激なことはしてないけれども)しかももう一人の娘"ベイビー"ジューンが子役として歌ってた同じ曲で脱いで、どんどん成功していくの。あまりにグロテスクで、あんなに華やかで煌びやかでルイーズがやっと光り輝くシーンなのに、ぐちゃぐちゃの感情で涙が出た。ルイーズが自分は美しいと気づけたこと、ローズに怒鳴り返せたことだけが私にとっての救い。(この作品が嫌いなのは揺るぎないけど、誕生日の時の歌や、タルサのダンスを見て夢見るような切ない顔をするナタリー・ウッドはすごくかわいい)
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