”バーレスクの女王”と称されるジプシー・ローズ・リーの手記をもとに描かれたミュージカル。娘の歌手としての才能を信じて疑わない母親ローズと、消極的でなかなか自分に自信が持てないルイーズの２人がエンタテインメントの世界での活躍を目指し、奮闘する姿を描いた物語。

大女優ロザリンド・ラッセルと、当時飛ぶ鳥を落とす勢いの人気だったナタリー・ウッドが親子役で共演。自分の娘の成功のためならどんな苦労もいとわず、周りも顧みない強烈な母親をラッセルが熱演。あのハスキーボイスで色んな人にまくし立てる様子、とにかく圧巻！というかコワい！（笑）
しかし、彼女が娘ルイーズを思うがゆえの行動には、どこかズレがあり、ルイーズも実はそれに違和感を覚えています。周りが期待する才能と、自分自身の才能は必ずしも一致しないこともあるのだなと…。本作の場合は親子がテーマながら、これは例えば上司と部下、友達同士でも起こり得ることだなとしみじみ。
後半になると、ルイーズがついに自らの”本当の才能”に気づき、それを余すことなく開花させることになるのですが、それまでのちょっぴりイモっぽい感じの彼女から一気に魅惑的な女性への変化っぷりは必見。ナタリーの妖艶な魅力もさく裂でした。

上記のテーマとは別に、心を打たれたのは母ローズと彼女を献身的に支え続ける男性ハービー（カール・マルデン）との物語。彼女が何をしても許し、愛し続ける彼の姿に胸が痛くなるばかり…。『風と共に去りぬ』のスカーレットとレットの関係性に少し重なるところもあり、ラストの２人の決断には思わず泣いてしまいました。

有名なミュージカルということで、楽曲もアップテンポで楽しいものが多いのですが、やはり最も有名かつ様々な歌手によってカバーされてスタンダードナンバー化している"Everything's Coming Up Roses"が印象に残りました。劇中ではローズが自分の決意を胸にルイーズに対して歌い上げるナンバーになっているのですね！後は『glee』でカートが歌っていた、"Rose's Turn"もクライマックスで歌われて圧巻でした。

ミュージカルの名作「ジプシー」の映画版を発見！
ストリップの女王ジプシー.ローズ.リーの自伝に基づいた話を「ウエストサイドストーリー」のナタリー.ウッドが演じています。
ですがこの作品のメッセージはそれを超えていたと思います。
果たせなかった夢を子どもに託す。その思いが強いほど熱が入り、子どもは才能と親の板挟みになるのではないでしょうか。子どもの人生だということを忘れてはいけないと思いました。

水兵、ピエロ、兵隊、飛行士、フラメンコ...外国のおもちゃの博物館から飛び出してきたみたいな子供たちが、歌い踊るかわいい世界がこの作品の中でいちばん好き。何度も見たくなるお人形のようなベィビージューンの溌剌とした踊り。そしてその影に隠れた目立たない姉ルイーズが伝説のストリッパーへと成長していく。。

毒母のステージママぶりが可笑しくて目が離せなかったし、地味な女の子から垢抜けたナタリー.ウッドのスタイルの良さ美しさには目が釘づけに...女優魂を見ました。

ショービジネスの煌びやかさの裏にある悲しみが伝わってくる作品。

輝ける何か。
才能は何処にあるのか。

母が求めた才能。
そして母が娘に求めた才能。
秀でていなかった娘だが、その求められた才能ではない才能を有する。

女優としてはイマイチだったが、作家そしてストリッパーとして才能を発揮したジプシーローズリーの伝記。母を通して成功までの人生を振り返る。


ステージママのロザリンドラッセルが、子役オーディションででしゃばるのが、もう可笑しくておかしくて🤣。先日観た「女たち」から赤丸急上昇中です🥰。他の出演作品、なかなか日本じゃ観られないのが残念😭。

娘役のナタリーウッド。
前半の芋くさい少女（美少女なのは隠せない）から、花開く後半への変貌は素晴らしい。何よりスタイルの良さに驚いた。なんか、他のストリッパーと並んだ時に、ものすごく小さく見えた女の子が、まあ脱ぐとダイナマイトボディ（死語）で、レビューシーンはほんと妖艶で美しかった。
ラッセルとの後半の掛け合いはお手のものか😆。


本作、ミュージカルシーンが楽しくない😅。
特にナタリーウッドはストリップショーは素晴らしかったが、歌がイマイチだ。ローズリーは歌や演技には秀でていなかったとされるが、それを表現しているにせよチャーミングでもないのが聴いてて苦しい。
ロザリンドラッセルがしゃがれ声をフルに使ってパワフルに歌い上げるのと比較すると余計感じる。


後半に見えてきた母娘との関係性が面白かったが、そこはあっさり終わっていった感。
長尺かつ詰め込んだ作品だが、何かこう、描き方に粋さが感じられず、モヤモヤして終わった。
思い返すと楽しいシーンは多いのだが。


でも、またいつか観返したい。