うだつの上がらない中年オヤジが溜まりに溜まったフラストレーションを開放させる話。
……と予告を見て思っていたのだけど、ジョン・ウィックの劣化コピーだった。冒頭の日常シーンはテンポがキレキレで期待したものの、終始面白くなりそうで面白くならない。ようやくアクションが始まったと思いきや強さが中途半端。なんかマーモットの喧嘩みたいにダバダバしている。
一般人なら弱くてもかまわないのだけど、引退した伝説の殺し屋にしては噛ませ犬に手を噛まれすぎ。無双させるならさせるで一方的な力の差を見せてもらいたいし、主人公が四苦八苦する戦闘にしたいなら元殺し屋という設定はいらなかったのでは。
そもそも週一のゴミ出しの時間に遅れるような奴が殺し屋として本当に有能だったの？ スケジュール管理もできない奴が？ コブラのように記憶を封印するとか、弱体化の理由をつけてくれないと主人公がただのバカに見える。バカのことなんて応援したくないし。
最終的に殺しが問題解決の手段ではなく目的になっているのは大問題。殺し屋はやっぱり殺しを辞められねえって話は倫理的にどうなん？ 殺し屋としての矜持を感じられない話だった。
