明日香

愛のくだらないの明日香のネタバレレビュー・内容・結末

愛のくだらない(2020年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

台本の上に置かれた水滴でビチャビチャのコップ、切れているのに変えられていない旦那しか届かない玄関の電気、LGBTが「流行っている」という一言、観ていて、小さな棘が刺さって抜けないような痛みを感じました。

『忙しいからって、他人に適当になったらダメやで』こんなことを言ってくれる友人もいないなぁと思います。観ていて自分も改めて考えないといけないテーマだと思いました。そして同時に、どんなに考えても、気を配っても、自分が誰かを傷つけている自覚は持たないといけないと思いました。
紗希子が景に問いかけた「大切な人っていますか?」の言葉が、シーンがとても好きです。紗希子にとって栞は本当に大事な人で、そのことが景に話している姿にも表れていて、幸せを実感しているように見えました。素敵な表情をしていました。

本日の上演後のトークで鈴木さんや桑名さんが仰っていたシーンは私も心に残っており、特に「彼の髪の匂いが好きです」と言われた時の景の表情で、あぁヨシのこと好きなんだなあと思いました。

冷たく当たられていた掃除のおじさんが景に寄り添うシーンもとても印象に残っています。

私個人の話になってしまい申し訳ないのですが、
私は最近お芝居を始めました。先日共演した尊敬している先輩の役者さんに、「お芝居の本質って愛だと思うんだ」と言われました。今日、『愛のくだらない』という作品を観て、俳優さん方の演技を観て、そのことの意味が少し分かった気がします。

悲しいシーンが多いはずなのに、見終わった後に「相手に、丁寧に生きよう」と思えました。
ずっと観たかった作品を劇場で観られて大変嬉しく思います。
明日香

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