ワンコ

プリズナーズ・オブ・ゴーストランドのワンコのレビュー・感想・評価

3.5
【究極の多様性ワールド】

海外では賛否が分かれたらしいけど、日本ではかなりの低評価だ。

これまでの、園子温ワールドとは異なるからだろうか。

この作品は、もともと、時代も、人種も、言語も、カルチャーも、そして、現実と空想がごちゃ混ぜになっていることが最大の特徴なので、それを前提に足を運ばないと愉快に楽しめないと思う。

そもそもが、SFやファンタジーも超えちゃうようなバカバカしい状況設定で、まあ、有り体に言えば、究極の多様性だ。

そして、この究極の多様性ワールドは、混乱の極みだ。

多様性の重要性を理解したふりをしながらも、現実には、それに参加する人が実は拒否反応を示している僕達の世界を皮肉って、そして、笑い飛ばしているようにも感じられる。

それでも、ガバナーという独裁者を倒して、最後に多様性は勝つのだ(笑)。

制作者の意図を理解してみようと考えるのも、映画の一つの楽しみ方だと思う。

映画を観て、変だなと思ったら、一晩くらい置いて、考えてレビューする方が客観的になれる気がするのは僕だけだろうか。

ただ、まあ意図したものだとは思うが、陳腐に感じられるセットだの演出だのが、もう少しなんとかならないものかと思ったり、あと、この制作者は、きっと自分達の意図したことを理解できないだろうと、観る側をバカにしてるようにも感じられて、やれやれと思ってしまった。

まあ、そもそも、園子温ワールドは、そんな感じなのだとは思うけれども。
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