MayumiM

パニック・イン・ミュージアム モスクワ劇場占拠テロ事件のMayumiMのレビュー・感想・評価

3.0
2002年10月に発生したモスクワ劇場占拠事件をモトに製作された(ハズの)一作。
モスクワ劇場占拠事件はドキュメンタリーやアンナ・ポリトコフスカヤ暗殺事件などからある程度の情報があった状態だったんだけど……"ロミオとジュリエット"の斬新過ぎるアレンジもさることながら、その使用で世界の度肝を抜いたハズのコーラカル・アヂーン(KOLOKOL-1)の投入場面を潔くカットするという英断によって英雄譚に格上げさせるという前述の"ロミオとジュリエット"を遥かに上回る新解釈を発動、拍子抜け感を極限まで高めてくれるという快挙を成し遂げていた。
そのために実際には大活躍したはずの特殊部隊や交渉人の活躍は大いにカットされることになったんだけど……歴史はいつの時代にも勝者によって書き換えられる、という教訓は否が応でもココロに刻まれること請け合いかも。
とはいえ、それは逆にアッラーの教えに帰依するがゆえに利用されたテロリスト達に、邪魔者は遠慮なく消していく皇帝の所業によって犠牲になった人達=本作では表現できなかった被害者の姿を投影したのかな……と行間を読み取るべきなのかも、と思ったり。

それにしても、特殊部隊はもう少し活躍しても良かったんじゃ……とりあえず、劇場の図面を取り寄せて云々くらいはできると思うんだが……。
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