ぶみ

スペンサー ダイアナの決意のぶみのレビュー・感想・評価

3.5
私の道は、私が決める。

パブロ・ラライン監督、クリステン・スチュワート主演による実話をベースとしたイギリス、ドイツ、チリ、アメリカ製作のドラマ。
チャールズ皇太子との離婚を決意したダイアナ皇太子妃が、サンドリンガム・ハウスで過ごした1991年のクリスマスの三日間を描く。
主人公となるダイアナをスチュワートが演じており、顔立ちがそんなに似ているわけではないのだが、髪型を筆頭に、仕草や衣装で、かなり本人に寄せており、いつの間にやらダイアナに見えてきたのは凄いところであり、本作品の成功の可否は彼女の肩にかかっていると言っても過言ではない。
そんな彼女をティモシー・スポール、ショーン・ハリス、サリー・ホーキンス等ベテラン陣が支えるキャスティングとなっている。
ダイアナ妃と言えば、1986年に来日した際のダイアナフィーバーが記憶にあり、こども心に、その美貌に釘付けとなったのが昨日のことのように思い出される。
物語は、夫の浮気から精神的に悩み、摂食障害を患ってしまったダイアナが、とある決意をした三日間を、現実と幻覚の狭間を錯綜しつつ描かれるため、ダイアナの苦悩が伝わってくるもの。
加えて、当時の皇族の生活様式やしきたり等が細部まで再現されており、それだけでも興味深く、一見の価値あり。
冒頭、これは寓話であると示されるように、あくまでも実在の人物をベースとしたフィクションであり、どこまでが本当の話なのかはわからないが、いつ爆発してもおかしくないギリギリの精神状態のダイアナをスチュワートが好演しており、劇伴を含め、丁寧に作り込まれた映像と、王室を再現した閉塞感に終始引き込まれ、没入感が高い一作。

必要なのは、愛と衝撃と笑顔。
ぶみ

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