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カラーパープルのkuuのレビュー・感想・評価

カラーパープル(2023年製作の映画)
3.8
『カラーパープル』
原題 The Color Purple 映倫区分 G
製作年 2023年。上映時間 141分。
劇場公開日 2024年2月9日。
巨匠スティーブン・スピルバーグが1985年に手がけた名作映画『カラーパープル』をミュージカル映画としてリメイク。 
ピュリッツァー賞を受賞したアリス・ウォーカーの同名小説と、ブロードウェイでロングランヒットを記録したミュージカル版をもとに再映画化する。
主人公セリー役にはブロードウェイ版でも同役を演じたファンテイジア・バリーノを起用し、『ドリーム』のタラジ・P・ヘンソン、実写映画『リトル・マーメイド』のハリー・ベイリー、シンガーソングライターのH.E.R.らが共演。
また、ブロードウェイ版でソフィア役を演じてトニー賞にノミネートされたダニエル・ブルックスが本作にも同役で出演し、第96回アカデミー助演女優賞にノミネートされた。
製作総指揮にはスピルバーグをはじめ、オリジナル版に出演したオプラ・ウィンフリー、オリジナル版の音楽を手がけたクインシー・ジョーンズが名を連ね、アリス・ウォーカーのピュリッツァー賞受賞小説を原作に新鋭ブリッツ・バザウーレ監督がメガホンをとった。

横暴な父に虐待され、10代で望まぬ結婚を強いられた女性セリー。
唯一の心の支えである妹とも離れ離れになり、不遇な日々を過ごしていた。
そんな中、型破りな生き方の女性たちとの出会いや交流を通して自分の価値に目覚めたセリーは、不屈の精神で自らの人生を切り拓いていく。

今作品は、アリス・ウォーカーの力強い小説に巧みに命を吹き込んだ作品でした。
本のエッセンスを捉えつつ、現代の観客に響く現代的なタッチを吹き込んでいました。
今作品の際立った特徴のひとつは、その豪華キャストかな。
俳優たちは、原作小説に登場する豊かで複雑なキャラに命を吹き込み、非凡としか云いようのない演技を披露していた。
特に、才能あふれる主演女優ファンテイジア・バリーノによるセリーの演技は特筆すべきもので、彼女は作品を通してキャラの回復力と成長を難なく表現していました。
キャスト間の相性の良さが人間関係に信憑性を与え、感情的な旅をより魅力的なものにしてた。
今作品の撮影は視覚的な饗宴やったし、一コマ一コマが丹念に構成され、南部の風景の美しさと、物語の中で象徴的な役割を果たす鮮やかな色彩を捉えていた。
また、照明と影の使い方がさまざまなシーンの雰囲気を高め、視覚的に見事で感情を喚起する体験を生み出してました。
細部にまでこだわったプロダクション・デザインは、観客を20世紀初頭へと誘ってくれ、登場人物の世界に没入感がとてもありました。
脚本は、原作のニュアンス豊かなストーリーテリングを忠実でありながら、より多くの観客が理解しやすい脚本にすることに成功してると思う。 そしつ、テンポはバランスがよく、内省と激しさの瞬間が生まれるれ、台詞は小説の詩的でソウルフルな質を保ち、登場人物のユニークな声と当時の文化的背景を捉えていました。
サウンドトラックは、物語に魂を揺さぶってくれたし、ゴスペル、ブルース、そして、ソウルフルなメロディーをミックスした音楽が、物語の情緒的な深みを高めてた。
どの曲も映画のテーマを引き立てるように注意深く選ばれ、全体的な没入体験に貢献している。
ミュージカル・スコアは、観てる側と深いレベルで共鳴する感覚的な旅を作り出そうとする映画製作者のコミットメントの証なんやろな。
今作品は、その技術的・芸術的な長所だけじゃなく、社会的・文化的なインパクトでも際立っていました。
人種差別、性差別、回復力といった重要なテーマに取り組み、逆境に立ち向かう人間の精神の強さを痛切に思い起こさせる。
物語は、心を痛める瞬間と高揚する勝利の微妙なバランスで展開され忘れがたい印象を残させてくれた。
登場人物のアイデンティティの交差性を探るという監督の選択は、ストーリーテリングに新たな深みを加え、アフリカ系アメリカ人女性の苦闘だけでなく、制度的抑圧という広範な問題をも取り上げてるし、こうしたテーマを物語に織り込むことで、『カラーパープル』は共感と理解を育む強力な手段となっていた。
今作品は、巧みなキャストから見事な映像、痛烈なストーリーテリング、衝撃的な社会的論評に至るまで、この映画はアリス・ウォーカーの作品の不朽の関連性を証明するモンやと思うし、楽しませるだけでなく、挑戦し、鼓舞する映画体験でとても楽しめました。
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