抹茶マラカス

ある用務員の抹茶マラカスのレビュー・感想・評価

ある用務員(2020年製作の映画)
4.4
ヤクザの娘・唯を学校の用務員として守る立場の深見の物語。89分のタイトな尺でありながら、開始30分程度まで深見と親分である真島の物語としてどっちかと言えば進む。そこで関係性を見せておいての父殺しの物語として前半はするのだが、真島の遺言に従って唯を守る立場になってからは、キャラ濃いめのヤクザや殺し屋が次々登場しては退場していくテンポの速いサスペンスアクションに。変にナヨナヨさせずにそっちに振り切ったのは英断だったと思いますね。ただ、ずっとアクションだとどうしてもテンションが上がりきってしまう中で、飄々と人を殺せる前野さんのシーンを挟んで一個ずつ笑わせていく感じも非常に丁寧。
 印象的な役者としては、真島を殺すように仕向けた深森を演じた般若a.k.aラスボスです。多少聞き取りづらいセリフはありましたが、基本的に彼は顔と歩き方の演技だけでどの程度やばくて、しかし小物なのかがよく分かるのでもうそれだけで100点だと思っています。
 殺し屋の面々だとやはり女子高生コンビの金髪の方を演じていた伊澤彩織さん。普段はスタントウーマンということでなるほど納得のアクションの凄まじさ。そのあとの稲岡との凄絶な殴り合いと比べるとスタイリッシュで寸前まで深見を追い詰めた好戦闘でした。

未体験ゾーンの映画たち2021「ある用務員」「シンクロニック」感想
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