スワヒリ亭こゆう

ウォンカとチョコレート工場のはじまりのスワヒリ亭こゆうのレビュー・感想・評価

4.3
『チャーリーとチョコレート工場』のウィリー・ウォンカがチョコレート工場を開く前の話です。
原作を読んでないので原作との相違は分かりませんが、ティム・バートン×ジョニー・デップの『チャーリーとチョコレート工場』とは別物でした。
今回は母親との思い出を大切にしたウィリー・ウォンカでした。人間味があり夢見る青年・ウォンカという感じです。ウォンカの性格や人物構成もまるで違うものになっていました。イジワルな要素は全く無いウォンカでした。
ジョニー・デップの『チャーリーと…』が大切な作品な人は本作をどう思うかは分かりませんけど、僕は面白かったし、映像の色味がステキでした。ファンタジーな演出も観ていて楽しかったです。

演出面ではミュージカル要素が多くあります。王道のミュージカル映画、MGMミュージカルの様な楽しさがある映画です。
奇人変人のウォンカではなくて人間味のあるウォンカにしたのもミュージカル映画にしたかったからですかね🤔

ヌードルというウォンカの相棒になる少女も良かったです。親のいない少女の心に光を宿すウォンカという構図が純粋で甘く優しいストーリーに説得力をもたらしています。
3人のチョコレート組合と警察署長、神父、宿屋の女将などの悪役の分かりやすさも良いですね。ストーリーの分かりやすさとウォンカの夢を叶えようとする姿を際立たせています。
観客に悪役を嫌な奴に認識させるとストーリーは複雑じゃなくても面白くなりますよね。

『チャーリーと…』に出てくる、なんでんかんでん!じゃなかった💦
ウンパルンパは今回はヒュー・グラントが演じています。なんでんかんでんの方が面白かったんですけどね。チョコレート工場の特殊エッセンスとしてのウンパルンパではなくて、今回はストーリーに絡んでくるのでヒュー・グラントの様なベテランに演じさせる方が良かったのかもしれないですね。

全体的に素晴らしい映画だと思います。ティミーも大作に出ても堂に入った演技を見せてくれる良い俳優さんになりましたよね。
ジョニー・デップと同じ様に大作と小規模な映画を分け隔てなく出演して欲しいです。

ひとつだけ。
ウォンカが文字が読めない設定はやめた方が良いですね。原作がどうかは知りません。だけど、ウォンカはチョコレートをどうやって作ってきたのかを想像すると誰か師匠がいた感じはしないです。
母親からもちゃんと教わってない。
だとするとウォンカのキャラを鑑みるとチョコレートを作る勉強を独学でした様な気がします。
それなら文字が読めないのは違和感があります。
ヌードルがチョコのお礼に文字を教える。それをチ別のお礼の設定に変えても問題ないと思います。
少し詰めが甘かったと思います。