もちお

ピノキオのもちおのネタバレレビュー・内容・結末

ピノキオ(2022年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

 まず、ディズニーアニメ版について。
 子供の頃に何度も観ました(家にビデオがありました)。
 大人になってからも何度か観ました。
 ピノキオの地獄巡りが好きです。子供ながらに「悪いことはしちゃいけないのだな。」と強く印象付けられました。

 以下、アニメ版のネタバレも含みます。
 字幕で観ました。
 個人的にディズニーの実写版は合わないことが多いのですが、今回は結構楽しめました。
 ただ、気になるところもあります。

①良かったところ
・同調圧力の歌
 かなり好きでした。「プレジャーアイランドに行きたくない」と言うピノキオに対し、周りが「冷めるなあ」と言って歌い始める歌です。
「こういうのあるよなあ……」と思いました。

・展開が速い
 展開が速い印象です。
 アニメ版を繰り返し見ているので、テンポが速いのは良かったです。

・ゼペットさんが作った時計
 ディズニー、ピクサーのキャラが多数登場。
 ただ、現実に引き戻されるというマイナス面もありました。楽しいですが、話に没入するのを妨げてもいるのかなと。

・正直ジョンが出てくるシーン
 楽しかったです。
 クリス・パインで笑いました。ただ、ここでも現実に引き戻されました。

・プレジャーアイランドの描写
 船に乗ってプレジャーアイランドを見て回る場面が楽しかったです。
 ディズニーリゾートのアトラクションに乗ってるみたいでした。
 いきなりコーチマンが出てくるところが特に良かったです。

ただ、結構気になるところも多いです。

②気になるところ
・ラスト
 ピノキオは人形のままです。
 別にアニメ版と変わっていてもOKです。人間の本質に関わってくるので興味深かったです。
 また、高速で泳ぐピノキオを見ていて、「こんな便利な機能があるのであれば、人間にならない方が良いのでは……」とも思っていました。
 ただ、その後に人間になったのを匂わせるのが何とも……
 「結局どっち?」と思いました。どっちつかずな印象でした。

・逮捕されるストロンボリ
 ストロンボリの逮捕(収監?)がうーん……
 アニメ版の「物語内で悪が裁かれずに終わるという突き放したところ」が好きだったので、個人的に合いませんでした。
 ただ、人形劇団の新キャラクターが魅力的なので、難しいところですが。

・アレキサンダーが出てこない
 ここが一番気になりました。
 実写版ではアレキサンダーが出てきません。
 アニメ版でのアレキサンダーのシーンが好きです。理由はとても怖いからです。トラウマです。
 もちろん影の化け物も怖いのですが、お母さんと二度と会えないであろうアレキサンダーの描写の方がインパクト大です。
 アレキサンダーが出てこなくてもいいのですが、個人的には出てきたらテンションが上がったと思います。

・ゼペットさんに亡くなった息子がいる?
 詳しい説明がありませんが、ゼペットさんには幼くして亡くなった息子さんがおそらくいます。
 そこを受けてピノキオを作ったと思われます。
 この設定が結構気になりました。ゼペットさんが息子の代わりとしてピノキオを大切にしているのであって、ピノキオに一個人として向き合っていないようにも感じられました。
 考えすぎかもしれませんが、気になるところではありました。
 
・ゼペットさんの過去
 もう少し説明が欲しかったです。

③疑問点
・ルートビア
 プレジャーアイランドでピノキオたちはルートビアを飲んでいます。
 ルートビアはアルコールではありません。
 なぜ非行を象徴する飲み物に選ばれたのかが分かりませんでした。

・熟睡するゼペットさん、フィガロ、クレオ
 熱唱するブルーフェアリー(歌が素敵)に対し、ゼペットさんたちは全然起きません。一方、窓の鍵が閉まると、その音で起きます。
 ちょっと笑いました。

 気になるところはありますが、アニメ版との比較ができて楽しかったです。
 また、実写版独自の良いところもありました。
 面白かったです。
もちお

もちお