はる

対峙のはるのレビュー・感想・評価

対峙(2021年製作の映画)
4.6
アメリカの高校で銃乱射事件か勃発。10人ほどの学生が殺され、犯人もその場で自殺しました。
事件から6年経っても息子の死を受け入れられない一組の夫婦が、セラピストの勧めで、加害者の両親と会って話をする機会を得ました。

教会に設けられた部屋でのほぼワンシチュエーション映画です。
第三者を入れずに双方の親だけで面会するという事がまず驚きだし、加害者の親が受けるストレスは計り知れないものがあります。
まさに究極の「対峙」でしたが、本当の意味での和解には、逃げずに対峙する覚悟が必要なのだと教えられました。
教会という場所、白い丸テーブル、ティッシュの箱の置き場所など環境の配慮も大切みたいです。

「ここへは車で?」といったぎこちない挨拶から始まり、だんだんと核心に触れていきます。

すでに裁判は終了していましたが、双方ともに、聞きたい事、話したい事、などまだ多くを抱えていたようです。
よくあんなに言葉が出てくるなと初めは驚きましたが、それは、6年間四六時中、理由を考え続けてきた証拠なのかもしれません。

4人の会話を聞いていると、加害者の親も当然のことながら息子を愛していた事が伝わり、かなり重苦しい時間でしたが、最後に聞こえてきた賛美歌は今まで聞いた中でも最上級の美しさでした。

演じた役者らもキツイ役作りだったと思いますが、迫真の演技で素晴らしかったです👏👏👏
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