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悪い奴ほどよく眠るのkazu1961のレビュー・感想・評価

悪い奴ほどよく眠る(1960年製作の映画)
4.4
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2021-687 再鑑賞
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋何度観ても凄い!!と思わせる作品です。コッポラをして映画史上最高のオープニングと言わしめた、本音と建前、虚実が入り混じる結婚式披露宴のシークエンスの深さと凄さ(コッポラが監督した『ゴッドファーザー』の冒頭の結婚式のシーンは、本作のこのシーンから着想を得ています)、そして急転直下の凄い余韻を残すラスト、暗転の後の「終」の文字には度肝抜かれました!!

🖋結局、巨悪は生き続けます。。。よく眠る「悪い奴」とは決して姿の見えない巨悪のことですが、土地開発公団副総裁の岩淵がかける電話の中でだけでそれが伝わってくる、その演出もなんとも凄いの一言です!!

🖋本作、黒澤プロダクション設立第1作目の作品。収賄事件に個人の復讐劇を織り混ぜたエンタテインメント仕立てで描きながら、日本社会に根深く蔓延る巨悪、腐敗、不正の構造を鋭く糾弾した社会派サスペンス・ドラマの傑作です。前述のようにフランシス・フォード・コッポラが愛してやまない作品なんですね!!

🖋意図的にシーンと不釣り合いな明るい楽曲を流す黒澤流の演出効果的で、佐藤勝の音楽もそれを受けて巨悪の蛮行を巧みに盛り上げています。三船敏郎の秘書役も今までのイメージとは違った幅の広い演技で、それ以上に老齢の土地開発公団副総裁の岩淵を演じた森雅之の凄さを感じさせる巧演は秀逸です。あとチョイ役の殺し屋が
若き田中邦衛だったのには(笑)!!

🖋本作、物語はデュマの小説『モンテ・クリスト伯』を参考にしてあて、シェイクスピアの戯曲『ハムレット』の影響も指摘されています。

😨Story:(参考:Amazon )
土地開発公団副総裁・岩淵(森雅之)の娘・佳子(香川京子)と秘書の西(三船敏郎)との結婚披露宴の席で、公団課長補佐が警察に連行され、そこから公団と建設会社との不正が明るみになろうとするが、その証人たちは次々と命を断たれてしまう。そんな折り、西はあるひとつの計画を実行に移そうとしていた…。

🔸Database🔸
・邦題 :『悪い奴ほどよく眠る』
・原題 : ※※※
・製作国 : 日本
・初公開 : 1960
・日本公開 : 1960/09/15
・上映時間 : 151分
・受賞 : ※※※
・監督 : 黒澤明
・脚本 : 小國英雄、久板栄二郎、黒澤明、菊島隆三、橋本忍
・原作 : ※※※
・撮影 : 逢沢譲
・音楽 : 佐藤勝
・出演 : 三船敏郎、森雅之、香川京子、三橋達

🔸Overview (参考:Wikipedia)🔸
黒澤プロ設立第1作として監督が選んだテーマは、当時社会問題となっていた政治汚職。汚職事件の隠蔽工作により自殺に追い込まれた男の息子による復讐劇を通して、政界に根深くはびこる腐敗の構造にメスを入れた意欲作。極めて社会性の強いテーマでありながら、スリルとサスペンスを盛り込むことで十二分に娯楽映画として通用する作品。
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