若草

悪い奴ほどよく眠るの若草のレビュー・感想・評価

悪い奴ほどよく眠る(1960年製作の映画)
4.7
社会派でありサスペンスであり、音楽の使い方とか台詞が軽妙でどこかユーモラスでもあって、撮り方かっこよくて、どこ取ってもハイクオリティ。
天国と地獄も面白かったけどこっちの方が好き。
黒澤明の現代劇すごいなぁ。

何を期待して見ても高水準で楽しめるという意味で、パラサイトと共通するものを感じた。

冒頭の結婚式が本当によく出来てる。
まさに事件が進行しつつある緊迫感、祝いの席のはずなのに奇妙で違和感ある空気、新郎でありながら一言も発さない主人公、状況と人物の説明役を担う記者たち。
主要な登場人物はほとんどここに揃っている。
しかも結婚式の中での役割を果たしながら各々のキャラクターまで表現しているから上手い。
すべてが完璧で引き込まれた。
ゴッドファーザーの結婚式シーンはこれに影響受けてるの今回知った。

そしてなんといってもラストが天才的。
こんな上手い終わり方ある?
すごすぎてニヤニヤしながら拍手してしまった。

白黒でサラリーマンのおじさんばかり登場して汚職がテーマだから分かりづらいかなと覚悟してたけど、すんなり理解できた。
脚本がよく練られているんだな。
テーマ的に画面が地味になりそうだけど、いろんな場所が出てきて視覚的にも飽きない。
まぁそれはそうですよね黒澤明だもの。
さすがすぎます。

三船敏郎のスーツ姿新鮮だった。
オープニングクレジット骨太で超いかつくて面白かった。
田中邦衛チョイ役すぎてびっくり。
若草

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