ヴォイジャーのkawaebi99のレビュー・感想・評価

チョイ見のB級映画のつもりで見出したら… 人類滅亡の回避策として惑星移住計画を担った一握りの若者たちが宇宙船内で直面する モラルと本能、欲望と葛藤 をテーマに人間の本質を問いかける社会派のSFだった 最近はこういうテーマを持ったSF映画が減ってしまったから嬉しい
大人のいない世界で大人になっていくって大へん

ジョニー・デップの娘リリー・ローズ・デップとレディ プレイヤー1の男の子タイ・シェリダンがほぼダブル主演で登場

物心が着く前に宇宙船に乗せられた子供たちが成長し 86年をかけた惑星間移動で自分たちが子孫を繋いで行くためだけの役割だった と気付いた時、若者たちは正義&任務と怠慢&快楽のどちらを主張する側に加担した方が自分の欲求を満たせるのか 宇宙船に棲みつくエイリアンの話を絡めながら描いていく

と言っても全体的に若者の躍動感は抑えられ 知的要素も少なめ 心理的な駆け引きも無く 物静かなSF まるで小説を読んでいるかのよう

登場する銃が金属ではなくオモチャのような強化プラスチック製なところが未来的で逆にとてもリアリティを感じた(火薬爆発による金属弾の発砲ではなく 電気的なエネルギーを発射するのだから という小道具設定なのだろう)

息子 娘、孫、ひ孫が目的地の惑星でいつまでも平和に暮らせることを願った。