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ノーカントリーのkonoのレビュー・感想・評価

ノーカントリー(2007年製作の映画)
4.5
広大な自然が綺麗。夕日のグラデーションが印象的。
No Country と付けられたタイトルの意味を考えながら見る。
国がない=国が機能していない、国を持たない、帰る場所がないなど。
見終わった後に調べたところ、原題がNo Country for Old Menだということが分かった。

年寄りの国はないとの事だが、映画の中の年寄り代表である保安官には常に前を歩いている父親がいるではないか、と思う。

シガーとモスにはそれらはいない。
いくら髪を緑に染めた若者が闊歩していても決して平和というわけではない。
どちらにも属せない取り残されたものの存在。
モスが国境を越える際に、ベトナムでの所属を答えた後、彼の扱いが変わり敬意を払われたことがせめてもの救いであるけれど、モスにとってはもはやどうでもいいことのように描かれている。
彼らは救われずに朽ちていく話。

ついでに言うと、やたらと演出過剰なジョーカーよりこちらの方が好き。
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