スギノイチ

マッドストーンのスギノイチのレビュー・感想・評価

マッドストーン(1974年製作の映画)
2.0
道路に張られたワイヤーによってバイカーの首がスッ飛ぶ、というインパクトの強いOPで始まる。
物凄い暴力の映画が始まるのかと期待させられるが、別にそうでもない。
意外にも主人公は警察官であり、巨悪を倒すべく暴走族「墓掘り軍団」に体験入団する。
最初は疎んじられるも徐々に絆を深めていく、というよくある展開に。

基本的には若者が無軌道にはしゃいだりバイクを乗り回しているだけのシーンが続くが、たまに思い出したように前衛的なシーンをぶっこんでくる。
ヒッピー達が全裸で海に飛び込み狂乱するシーンは無修正。何もかも丸見えだ。
女の子たちが皆いいカラダをしていたのでこの映画の価値が2ランクほど上がった。
そんなこんなで主人公もすっかり暴走族に染まった頃、悲劇が起こる。

仲互いした後も「アイツらには俺たちには無い何かがある」と彼らをかばう主人公には泣かされる。
それだけに、その後の凄惨な展開には結構オッとさせられる。(個人的にはもっと残酷でもいいと思うけど)
肉体的に踏みにじられても、精神的な勝利を勝ち取るアンチハッピーエンド的な結末はまんまニューシネマ。
ザラついた画面と雑な演出なのに、発散するエネルギーからは妙な無邪気さを感じる変な映画だ。
あまり面白くはないけど。
スギノイチ

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