爆裂BOX

ゾンビ・プレジデントの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ゾンビ・プレジデント(2020年製作の映画)
3.2
台湾製のゾンビ・コメディ。台湾の国会である立法院でゾンビアウトブレイクが起きるという設定がちょっと珍しいですね。
前半は故郷の浜辺を守る為、そこへの工場建設を反対するプロレス得意でキレやすい女性立法委員のインインと彼女に片思いする元警備員で新米委員として祭り上げられたヨウウェイがライバルの悪徳委員と選挙バトル繰り広げたりする様子がハイテンションで描かれます。というかこの映画ずっとハイテンションで進むので流石に緩急なさ過ぎて飽きてくる所がありました。主人公のインインもキレやすくてヨウウェイに上から目線で命じたりする所もあってイラつく所もありましたね。笑い所は自分は爆笑するような所はありませんでしたね。クスッとする所はあったけど。マンガっぽいアニメのエフェクトが多々入る所も好き嫌い分かれそうです。
工場の汚染物による新型狂犬病に感染し、ゾンビ化した総統が議会で暴れだしてからはアウトブレイクによるパニックと封鎖された立法院からの脱出劇と割とオーソドックスな展開見せますね。
ゾンビはダッシュ系で最近のアジア系ゾンビらしい元気いっぱいなタイプです。噛みつかれるとブシャブシャ血しぶき噴き出して登場人物血まみれになるけど、直接的な人体破壊描写やお食事シーンは無かったな。
ヨウウェイに免疫があってその血がゾンビの弱点になるという設定は面白い。その血を体につけてのゾンビとの戦いは序盤から繰り出されてたキレのいいプロレス技と相まって中々楽しめましたね。血を奪おうと来た神農隊のメンバーが撃たれるたびにブレイクダンスみたいな動きで吹っ飛んでいくのもちょっと面白かった。
前半でイラついた主人公インインも後半デレてきて可愛くなってきた感じはありますね。インインの父親と人事部部長のステージ4の肺がんの姐さんとの関係性もなんかよかったな。あの姐さんは散り際も含めて結構好きなキャラでした。自己犠牲や家族愛といったドラマ部分も描いてましたが、ハイテンションコメディのノリで突き進む中ではちょっと浮いてたかな。
ラスボスとの戦いで格ゲー風のエフェクトはいるのはクソダサいけど嫌いではなかった。ただ、ちょっと長すぎてダレました。
個人的にはまあ楽しめたけど好き嫌いはかなりはっきり分かれそうな作品ですね。